北朝鮮核実験「容認せず、半島情勢注視」
中谷元(げん)防衛相は9日、英国のファロン国防相と防衛省で会談し、北朝鮮の核実験について「断じて容認できない」との認識で一致した。また、韓国が対抗措置として南北軍事境界線付近で対北朝鮮宣伝放送を再開したことについても意見交換し、朝鮮半島情勢の推移を「注視する」ことを確認した。
中谷氏は韓国の宣伝放送に関し「関心を持っている。ミサイルの動向も注視している」と述べ、ファロン氏も「認識を共有する」と応じた。中谷氏は会談後、記者団に「南北間で再度緊張が高まる可能性が考えられる」と語った。引き続き警戒を強める考えだ。
一方、北朝鮮の金己男(キム・ギナム)朝鮮労働党書記は8日、平壌で開かれた「水爆実験成功」を祝う大会で演説し、宣伝放送について「国の情勢を戦争の瀬戸際へ追い込んでいる」と批判した。北朝鮮側は宣伝放送を聞こえにくくするため、対抗して放送を始めたと伝えられており、さらに強い報復措置を取る可能性もある。
日英防衛相会談ではこのほか、英空軍の主力戦闘機「タイフーン」と自衛隊機による日本周辺での共同訓練を年内に行うことで一致。自衛隊と英軍が物資や輸送業務などを互いに融通する物品役務相互提供協定(ACSA)の早期締結や防衛装備技術に関する協力を確認した。【村尾哲、ソウル大貫智子】