「上方四天王」落語家の桂春団治さん死去、85歳
2016年1月14日8時40分 スポーツ報知
戦後の上方落語界の復興を支え、「上方四天王」の一人と賞された落語家の3代目桂春団治(本名・河合一)さんが、心不全のため9日午前0時11分、大阪市阿倍野区のJR大阪鉄道病院で亡くなった。85歳。葬儀・告別式は親族や直系の弟子らで済ませた。喪主は妻・成子(しげこ)さん。
春団治さんは2013年8月以降、自宅でたびたび転倒して足の指やろっ骨を骨折。大事には至らなかったが、長時間の正座が難しくなったことから高座を離れた。15年3月に京都府木津川市での一門会で舞台に上がったが、落語は13年5月の1席が最後となった。昨年3月には桂米朝さんの通夜祭に姿を見せたものの、その後は公の場から遠ざかっていた。
1930年、丸々とした体形で爆笑落語を演じた2代目春団治の長男として誕生。浪華商業(現在の大体大浪商)高校卒業後、会社勤務をしながら父の巡業先に同行して落語を聞き覚え、他の演者の代役として高座に上がったことがきっかけで弟子入りした。桂小春を名乗り、50年に2代目桂福団治を襲名。59年、弱冠29歳で大名跡の3代目春団治を襲名した。
持ちネタは「祝のし」「野崎詣り」「子ほめ」などの十数席で、いずれも「完成形」の至芸と絶賛された。6代目笑福亭松鶴、5代目桂文枝、昨年3月に亡くなった桂米朝さんとともに戦後絶滅の危機にあった上方落語界を支え、上方落語協会会長、関西演芸協会会長なども歴任。4代目桂福団治(75)ら弟子9人も育成した。98年に紫綬褒章を受章した。
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