阪本輝昭
2016年1月14日03時00分
歌い、踊って、憲法の明日を考えよう――。安全保障関連法の成立など憲法をめぐる状況が大きく変化する中、大阪の弁護士らが企画し、市民が演じる「憲法ミュージカル」が5年ぶりに開かれることになった。戦前の大阪で映画制作に夢をかけた若者が戦争の荒波にのまれる姿を描き、平和の尊さを訴える。6月に公演予定で、今月24日に開く出演者オーディションの参加者を募っている。
「憲法ミュージカル」は2008年に始まった。最初の上演作品は慰安婦問題をテーマにした「ロラ・マシン物語」。長崎・諫早湾の干拓事業を扱った「ムツゴロウ・ラプソディ」(09年)▽アフガニスタンで医療と農業の支援に取り組む中村哲医師の活動を描いた「ドクターサーブ」(11年)と続いた。市民延べ約350人が出演し、延べ約2万人が鑑賞したという。
13年1月、この3作の脚本や演出を手がけた演出家が亡くなり、新作の制作は止まっていた。しかし、今年が憲法公布70周年にあたることや、政府による集団的自衛権の行使容認などを受けた憲法への関心の高まりを背景に、大阪の弁護士ら約50人が呼びかけ人となって「復活」を進めた。
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