年初から米国株が軟調ですが、今日の場味はこれまでの相場つきと少し違っていました。これまでは中国経済の減速や原油安が悪者でしたが、今日はネットフリックス(ティッカーシンボル:NFLX)やアマゾン(AMZN)の下げが目立ちました。

ネットフリックスが下げている理由は(米国内のサブスクライバー成長が、今回の決算でも再び悪いのではないか?)という懸念からです。

nflx

ネットフリックスは、「目先、成長機会はいくらでもあるのだから、この際、利益を犠牲にして、最大限、サブスクライバー成長を獲得しにゆく」という戦略を明確に打ち出しています。

これを受けて投資家も、同社の四半期決算の利益の部分には頓着せず、ひたすらサブスクライバー成長の数字だけに注目してきました。

ところが前回の決算では米国内のストリーミング顧客数は予想4,345万人に対し4,318万人と予想を下回りました。

その際、会社側は「これはクレジット・カードのIC化でメンバーのクレジット・カード番号が新しくなるケースが多く、その変更をユーザーが迅速にネットフリックスに報告し、クレカ情報をアップデートしなかったために退会扱いになるメンバーが増えたことが原因だ」としていました。

実際、海外ストリーミング顧客数は予想2,565万人に対し2,599万人と順調に増えました。

ただ新規サブスクライバーを獲得するためには、魅力あるコンテンツ、とりわけオリジナルTVドラマ・シリーズで視聴者を惹きつけなければいけません。このため同社は高水準のコンテンツ投資を継続しています。

一部投資家からは(今期も米国内でのサブスクライバー成長が予想を裏切るのでは?)という指摘が出ており、アマゾンとの間での不毛なコンテンツ軍拡競争を危惧する声が出ています。

目先の利益を犠牲にしてボリュームをとりにゆくという戦略は、もともとアマゾンが編み出した手法です。そのアマゾンは、予想を上回るクリスマス商戦の好調で、ビジネス的には今、とても勢いがあります。でも株価的には、こちらも天井を形成しているように見えます。

amzn