成人式では警察官とも小競り合いに=10日午前、水戸市五軒町(坂井広志撮影)

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 大荒れとなった水戸芸術館(水戸市五軒町)の広場で開催された水戸市の成人式。

 市教育委員会によると、新成人らが一瞬、ステージに上ることは過去にもあったが、式典自体をぶち壊そうとするような妨害行為は、近年なかったという。異例の事態を受け、市と市教委は警備の強化などの検討に入る。

 具体的には今回3人だった警備員数を増やす方向で調整する。警察官約20人が駆け付けたのは、110番通報があったためだが、会場からは「来るのが遅い」との声が漏れた。今後は警察官が警戒する中での開催も検討する。

 水戸市の場合、屋外開催のため、開放的な気分になりやすく、このことが妨害行為を誘発しているともいえる。しかも、アルコール類などの持ち込み検査は難しい。とはいえ、屋外開催の評判は良く、事実、今回の参加率は74%に上った。このため、抜本的に在り方を変えるのは、慎重にならざるを得ないようだ。

 後味の悪い式典になったが、新成人代表として壇上で話している最中に乱入の被害に遭いながらも、「僕が話すことが気に入らない人もいると思う。しっかりと成人の自覚をもち、社会人としてはばたいていこう」と臆せず呼び掛けた専門学校文化デザイナー学院2年生、古谷(こや)直之さん(20)には拍手を送りたい。(坂井広志)