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皇居で「歌会始」
1月14日 12時26分

皇居で「歌会始」
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新春恒例の「歌会始」が、14日、皇居で行われました。
ことしの「歌会始」のお題は「人」で、全国と海外から合わせて1万9000首近くの短歌が寄せられました。
皇居・宮殿の「松の間」では、はじめに、入選した10人の歌が天皇皇后両陛下や皇族方の前で古式にのっとって披露されました。
このうち、新潟市の高校1年生、内山遼太さん(16)は、夏休みに一緒に過ごした中学時代の友人たちとの関係がそれぞれの新学期が始まり少しずつ変わっていくさまを、「日焼けした背中の色がさめる頃友達四人の距離変化する」と詠みました。
また、入選者の中で最高齢の福島市の菊地イネさん(82)は、去年の夏、被災地で汗を流して働く除染作業員の姿を尊く感じたときのことを、「休憩所の日向に手袋干しならべ除染の人らしばし昼寝す」と詠みました。
続いて皇族方の歌が披露され、療養中のため欠席した皇太子妃の雅子さまは、去年、訪問先の福島県で、被災地の高校生たちが地域の課題について学び合う様子を目にしたときの印象を、「ふるさとの復興願ひて語りあふ若人たちのまなざしは澄む」と詠んだ歌を寄せられました。
皇太子さまは、3年前にスペインの地方の町を訪れた際、人々が東日本大震災からの復興を願う日本の合唱曲を歌って出迎えてくれたときのことを、「スペインの小さき町に響きたる人々の唱ふ復興の歌」と詠まれました。
皇后さまは、夕方の空を進む飛行機の姿を見て、若いころ1人で欧米を旅した自分と同じような旅の若者が乗っているのだろうかと想像し、「夕茜(ゆふあかね)に入りゆく一機若き日の吾(あ)がごとく行く旅人やある」と詠まれました。
最後に、天皇陛下の「戦ひにあまたの人の失せしとふ島緑にて海に横たふ」という歌が詠み上げられました。この歌は、去年4月、太平洋戦争の激戦地パラオのペリリュー島で慰霊碑に花を供え、多くの日本兵が命を落とした隣の島に向かって拝礼したときのことを詠まれたものです。
来年の歌会始のお題は「野」で、「野」の文字が詠み込まれていればよく、「野火」や「視野」のような熟語にしてもかまいません。作品は14日から9月30日まで受け付けられます。

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