新型万能細胞「STAP細胞」の論文不正問題で、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダー(30)の指導役である笹井芳樹氏(52)の責任を問う声が日増しに強まっている。所属するセンターによる外部調査でも、笹井氏が小保方氏を囲い込み、チェック機能の低下を招いたとして、笹井氏を断罪。かつて「ノーベル賞に最も近い男」ともてはやされた日本科学界のエースの信用は失墜している。
小保方氏、笹井氏が所属する理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)は4月8日、「自己点検検証委員会」を設置し、小保方氏の採用から論文作成、報道発表の問題点などを調査してきた。5日付の読売新聞などが報じたところによると、外部有識者で構成される検証委による報告書案は、“身内”にとって厳しい内容となった。
報告書案では、ずさんな論文が発表された原因は、笹井氏にあったと厳しく批判した。指導役の笹井氏がSTAP研究の秘密保持を優先したあまり、相互チェックが働かなかったと指摘。小保方氏の実験データを検証することなく、論文を発表したと結論づけた。
また、小保方氏には採用段階から“コピペ”や流用があったとする疑惑も浮上した。
理研は、2012年10月にリーダー級研究者の公募を開始し、当時客員研究員だった小保方氏のSTAP細胞研究が話題となり、採用を担当する人事委員会側から11月、小保方氏に応募を打診した。