小保方氏、研究計画書に転用画像
理化学研究所のリーダー級研究者に小保方晴子氏(30)が応募した際に提出した研究計画書で、人の細胞として示していた画像が、マウスの細胞を使った博士論文の画像の転用とみられることが分かった。また、計画書の英文には、別の書類と同じ表現が多数あった。
小保方氏が所属する理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)に設置された自己点検検証委員会がまとめた報告書案で明らかになった。
理研は小保方氏らのSTAP論文に不正があったと認定、懲戒委員会で処分を検討しているが、採用時の書類に新たな問題点が発覚し、採用の正当性が揺らぎそうだ。
報告書案によると、理研は2012年10月に公募を開始。当時客員研究員だった小保方氏のSTAP細胞研究が話題となり、採用を担当する人事委員会側から11月、小保方氏に応募を打診した。この際に提出された小保方氏の研究計画書の英文を今回、検証した結果、米ハーバード大が提出したSTAP細胞関連の特許出願書類と同一の文章が多数見つかった。
人事委は、この計画書を見て、小保方氏の英語のレベルが非常に高く、主張が明快で構成力に優れていると評価し、13年3月の採用につながっていた。
理研は小保方氏を採用する際に、英語で実施すべき面接を省略して日本語でするなど、特例扱いだったことが既に判明している。
こうした採用の経緯に関し、検証委は、小保方氏は重要な申請書を締め切りまでに提出できなかったことなどを問題点に挙げ、研究の秘密性を重視した人事委の手順は拙速で、慎重に対応すべきだったとみている。
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