2014年、高橋幸宏&METAFIVEとして、高橋のオリジナル曲を中心としたライブを展開した彼らは、2015年初頭より水面下でオリジナルアルバムの制作を開始、バンドとして本格的な活動をスタートした。
そして2016年1月13日にリリースとなったこのアルバム「META」は、Red Bull Studios Tokyoでも制作の一部が行なわれていた。
"FIVE"と名乗りながら実は6人いるMETAFIVE。このインタビューは、2015年8月、当スタジオに集まった6人に対しそれぞれ投げかけた定形質問5+1問。それらを毎日リレー形式で公開してきたが、今回がいよいよその最終回となる。
#6 砂原良徳
<1>最近「かっこいい」と思ったものは何?
洋服とか、車とか、なんでもトレンドってやっぱりあるじゃないですか。そういうものを無視して自分だけの価値観で突っ走ってる人はかっこいいですよね。
昭和58年くらいの車をピッカピカにして乗ってるやつとか、そういう人がいると、おぉ!ってなるかなぁ。
砂原さん自身も、自分の価値観で突っ走ってる感じがしますよ?
それは、そうしてるんですよ。
結局何かを追っかけていくと、それだけで消耗するんで、だから洋服も黒い服が多かったり。(笑)
楽なだけじゃないんですけど、(余計な装飾は)別にいらないって思ったからそぎ落としてるだけなんですけど。
<2>2020年まであと5年。2020年までに成し遂げたいことは?
ちょっと難しいかもしれないですけど、東京から引っ越したいなっていうのはありますね。(笑)
もう行き過ぎた感じがするな、って。“開発”だけで物事を解決できる時代じゃないんですけどね、でもやっぱり開発することで未来を作ろうとしてる人が多いと思うんです。
東京は今も、マンションとかすごい建ってるじゃないですか? そういう光景を見てると、誰がここに住んで誰が管理するんだっていうことがあまり考えられてないのかな、って思う。(笑)
だから東京から引っ越したいっていうのはちょっと思いますね。
“どんどん開発することでどんどん良くなる”っていう価値観に埋もれて過ごすのが嫌だということですか?
そうですね、あんまりいいと思わないです。やっぱり騒がしくなってるじゃないですか、クレーンとかも多いし、工事も多いし。昭和的なその考え方っていうか。
だから2020年っていうことで言うと、オリンピックはやんなくていいんじゃないかな(笑)って思っちゃいますね。もしやるとしても東京以外のところでやるべきじゃないかな、って。いまさらですけど。
<3>METAFIVEのように、“5”がつくバンドで好きな曲は?
ピチカート・ファイブの活動をいまYouTubeとかで見なおしてみると、あの時代にあれはかっこよかったなって思いますね。あとメッセージ性もあって、当時も当然分かってたけど、今になってもっと浮き出てくるようなメッセージを発信してたりとかして。
ピチカート・ファイブってそういえば最初5人だったんですよね。だから“5”なんだと思うけど、でもデビューしたときにはもう4人だったんですよ、で、いつのまにか3人になって、最後2人になって。(笑)(編注:ちなみに現在、小西康陽氏は“ピチカート・ワン”として活動中)
METAFIVEもそうならないように気をつけたいな。(笑)
まあ、とりあえずいま6人いるんで、1人やめてもまだなんとか……(笑)
<4>METAFIVEの他のメンバーを見ていて、うらやましいと思うことは?
みんなそれぞれうらやましいな、って思う部分はあります。でもうらやましいって言っても、もう自分もいい年齢だし、そんな簡単に人間変われないっていうのももう分かるし。(笑)
みんなそれぞれ高い能力を持って、独力で楽曲を仕上げられるので、非常に頼もしいっていうか、こう言っちゃうのはなんですけど、楽な部分が多いです。心配な部分がないですね、あんまり。
他の人は僕を見てて心配に思うかもしれないですけど(笑)、僕は他の人を見てても“仕事を任せられる”って感じるし、自分もそうありたいと思ってます。
<5>ソロでの活動時と比べて、METAFIVEの時に意識していること、気を遣っていることは?
意外とあんまり気は遣ってないですね、なんか頼みたいことがあったら、割と遠慮しないで“これやって?”みたいな。
あと、音楽的なルーツみたいなものがメンバーそれぞれにあって、例えば幸宏さんにとってのYMOみたいな、あの時代のニューウェーブみたいな感覚を、今的に解釈したらかっこいいかな、と思ったりしてます。
まあ、結果どうなってるかは、聞いて判断してもらうしかないんですけど。
<+1>小山田圭吾から砂原良徳への質問
“Corneliusもなかなか出せてないけど、まりん(砂原)のソロアルバムはいつ出る?”
小山田くんが出すその一年以内には出すんじゃないですかね。分かんないですけど。(笑)
(CDが売れない時代に)アルバムって昔より出すの大変なんですけど、でもこの仕事やってる以上は出さなきゃなんないのかな、とは思ってます。
小山田くんはアルバム制作をやってると思うんですけど、僕全然ノープランで、ほとんどやってないですね。むしろ放っておいてるんです、逆に。
あんまり考えないで、やってた作業のことを一時的に忘れるようにしています。書いてた紙を一度白くするっていうか。
その方がいざもう一度作業を始めるときに、バッと始められるかな、って。
作品の発表形態として、アルバムというかたちにこだわりはありますか? 曲単体で売っていくようなことが最近は多いですけど。
やっぱり自分の場合はアルバムですね。もともとシングルアーティストっていうわけではないし。(笑)
1曲だけではやっぱり説明できない部分があって、アルバムぐらいのボリュームがあればアートワークとかビデオとかも含めて、ある程度具体的に提示できるかなとは思います。
METAFIVE
『META』
2016年1月13日(水)発売
3,024円(税込)WPCL-12294
1. Don't Move
2. Luv U Tokio
3. Maisie's Avenue
4. Albore
5. Gravetrippin'
6. Anodyne
7. Disaster Baby
8. Radio(META Version)
9. W.G.S.F.
10. Split Spirit(META Version)
11. Whiteout
12. Threads
《METAFIVE LIVE INFORMATION》
METAFIVE “pre-METALIVE 2016 ~「META」RELEASE party”
オープニングアクト:Young Juvenile Youth
公演日:2016年1月14日(木)
会場名:恵比寿 LIQUIDROOM
開場:19:00 / 開演:20:00
料金:前売¥5,800(税込・ドリンク代別)
プレイガイド:チケットぴあ TEL:0570-02-9999(Pコード:283-119)
ローソンチケット TEL:0570-084-003(Lコード:79597)
イープラス eplus.jp(PC・携帯共通)
METAFIVE “METALIVE 2016”
公演日:2016年1月21日(木)
会場名:EX THEATER ROPPONGI
開場:18:30 / 開演:19:30
料金:前売¥7,800(税込・ドリンク代別)
プレイガイド :チケットぴあ TEL:0570-02-9999(Pコード275-300)
ローソンチケット TEL:0570-084-003(Lコード74408)
イープラス eplus.jp(PC・携帯共通)
お問い合わせ:ホットスタッフ・プロモーション(www.red-hot.ne.jp)
TEL:03-5720-9999(平日12:00~18:00)
■Yoshinori Sunahara / 砂原良徳
1969年9月13日生まれ。北海道出身。電気グルーヴに91年に加入し、99年に脱退。電気グルーヴの活動と平行して行っていたソロ活動では、95年にアルバム『Crossover』、98年にはアルバム『TAKE OFF AND LANDING』、アルバム『THE SOUND OF ‘70s』を2枚連続リリース。01年に電気グルーヴ脱退後初となるアルバム『LOVEBEAT』をリリース。02年には幕張メッセで行われたフェスティバル“ELECTRAGRIDE”でキャリア初となるソロライブを披露。その他にもACOのシングル「悦びに咲く花」、映画「ピンポン」の主題歌となったスーパーカーのシングル「YUMEGIWA LAST BOY」などのプロデュースや数多くのCM音楽などを手掛ける。09年夏には映画「ノーボーイズ ノークライ」(主演:妻夫木聡/ハ・ジョンウ)のサウンドトラック『No Boys, No Cry Original Sound Track』をリリース。2010年4月には元スーパーカーのいしわたり淳治とのユニット<いしわたり淳治&砂原良徳>を結成し、相対性理論のやくしまるえつこをボーカリストに迎えてシングル「神様のいうとおり」をリリース。7月にはソロ名義のシングル「subliminal」をリリースし、2011年4月には10年振りのオリジナルアルバム「liminal」をリリースした。
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