奥村輝
2016年1月14日03時49分
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は13日、フィリピン政府から軌道投入を請け負った超小型衛星を公開した。4月ごろに国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」から放出する。北海道大や東北大が提唱するアジア各国の超小型衛星による地上観測網の第一歩になる。
衛星はフィリピン初の人工衛星「DIWATA(ディワタ)―1」で、筑波宇宙センター(茨城県つくば市)で引き渡し式をした。縦横55センチ、奥行き35センチ、重さ約50キロの地球観測衛星で、気象災害の監視や農林水産業に利用される。フィリピン人の留学生も参加し、北大や東北大で開発された。費用は2017年に投入する2号機と合わせて総額8億円で、大型衛星の100分の1程度という。今回の衛星に合わせ、きぼうから軌道に投入する能力を50キロ級の衛星に対応できるよう増強する。
北大の高橋幸弘教授によると、50機の超小型衛星を打ち上げることで地球上をくまなくカバーし、地表の植生や雲の様子などを観測をする構想。ベトナムなどアジアの約10カ国が関心を示しており、5年程度で20機ほどの衛星の参加が見込めるという。JAXAの浜崎敬理事は「貢献を大変うれしく思っている。さらにアジアの協力を進めたい」と話した。
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