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中国、「世界の工場」時代の終焉か 上海株も3000割れ WTO加盟から15年、成長エンジン失速に危機感

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中国、「世界の工場」時代の終焉か 上海株も3000割れ WTO加盟から15年、成長エンジン失速に危機感

13日、中国海南省海口市の証券会社で、頭を抱える個人投資家(共同)

 13日の上海株式市場は大幅反落し、代表的な指標の上海総合指数は、心理的な節目となっている3000を終値で割り込んだ。13日に発表された2015年の貿易統計が6年ぶりに前年実績を下回り、中国経済の先行きに対する投資家の不安感が一段と深まった。

 01年12月、日本の支援で世界貿易機関(WTO)に加盟して以来、貿易は中国にとり最強の成長エンジンだった。原材料や部品を輸入して人海戦術で安価に組み立て、洪水のように輸出する加工貿易で「世界の工場」と呼ばれた時代は、WTO加盟から15年を迎える前に終焉(しゅうえん)に向かっていることが鮮明になった。

 貿易失速に危機感が広がる。とりわけ投資家にとってもショックが大きかった輸出の減少は、人件費高騰や労使紛争の頻発などで、製造業の国際競争力がそがれたことが原因だ。

 日本を含む外資系の製造業で、繊維や衣料品、機械・電子部品などの工場が相次ぎ中国から撤退。将来的に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)で有望な輸出拠点となるベトナムなどにシフトしており、中国の輸出産業は広範囲に地盤沈下を起こしつつある。

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