【コラム】韓国から乳児売買をなくすには

 厳しくなった養子縁組特例法がかえって乳児密売や遺棄を助長しているとの指摘にも耳を傾けるべきだ。2012年8月に施行された特例法では、国内外の養子縁組全てについて家庭裁判所の許可を受けなければ不可能とし、そのためには生みの親が出生届を出さなければならない。児童は十分な資格を持つ家庭に養子縁組されるべきだという妥当な論理が反映されたものだ。しかし、社会に冷たい目を浴びるのではと隠れて出産した未婚の母が自ら出生届を出すのは容易でなく、特例法施行後の養子縁組件数が大幅に減少している一方で、乳児遺棄件数は増加するという皮肉な現状を統計は物語っている。養子縁組関係者は「子どもの幸せを最優先するなら、養子縁組手続きを短縮し、保護を受けられる家庭に早く行かせるべきだ」と主張している。

 関連団体は「シングルマザーに対する経済的支援や社会的偏見が変わらない限り、乳児売買・遺棄は増え続けるだろう」と言う。そして、「未婚の母が出産・育児と仕事を両立させるのは現実的でなく、法律の規定にしか存在しない。仕事がない未婚の母にとっては、少なくとも子どもが2歳になるまで経済的支援をしてやるべきだ」と注文する。未婚の母と子を保護する施設で子どもを育てている女性は、手記に「『非婚の母』は堂々とした新しい女性として見られるが、私たち『未婚の母』はゆがんだ貧しい女性に見られるのはなぜだろうか」と書いた。乳児売買をなくすには、この問いに対する答えを見つける必要がある。

社会政策部=朴瑛錫(パク・ヨンソク)次長
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