イスタンブール=渡辺丘
2016年1月13日23時51分
歴史的な建造物が並び、世界遺産に登録されているトルコ・イスタンブールの観光地スルタンアフメット地区で12日に起きた大規模爆発事件。そのとき何があったのか。一夜明けた13日、静寂に包まれた現場で目撃者らが恐怖の瞬間を語った。
12日午前10時15分ごろ、トルコを代表するイスラム教礼拝施設ブルーモスクに隣接する土産物店で働くサワシ・デミルさん(61)は「ボーン」というガス爆発のような巨大な音を聞いた。外に飛び出すと、約100メートル離れた爆発地点からパニックになったドイツ人観光客らが走ってくるのが見えた。店の前のベンチに座らせ、警察に通報した。バラバラの遺体が散らばっていた。ドイツ人らのグループ以外は見えなかった。
ガイドのフェルハット・ペカーさん(21)は、ドイツ人観光客に人気の「ドイツの泉」と呼ばれる施設の前にいた。200メートルほど離れた爆発地点から遺体の一部が吹き飛んできた。多くの負傷者が倒れ、助けを求めていた。誰かが「2回目の爆発が起きる」と叫び、逃げ出した。
13日付地元紙ヒュリエットは、別の女性ガイドが警察に話した内容を報じた。それによると、ガイドは当時、二十数人のドイツ人観光客らに歴史ある石塔の説明をしていた。奇妙な金属音がし、グループの中にあごひげをはやした現代風の服装の若い男がいるのに気づいた。爆発物のようなものを操作しているのに気づき、ドイツ語で「走れ」と叫んだ。その直後、爆発が起きたという。
13日、スルタンアフメット地区の通行規制は解除された。普段は観光客でにぎわう光景は一変し、閑散としていた。花を手向けるドイツ人観光客もいた。
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朝日新聞国際報道部
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