「仁義なき戦い」などの任侠映画や、数々の時代劇をヒットさせた東映の名誉会長、岡田茂氏が9日午前5時55分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。87歳。広島県出身。葬儀・告別式は11日午前11時から東京都港区南青山2の33の20、青山葬儀所で。喪主は妻彰子さん。葬儀委員長は長男で東映社長の裕介(本名剛)氏。
東大卒業後、東映の前身である東横映画に入社し、一貫して映画製作の現場を歩んだ。多数のスターを起用して時代劇路線を成功させ、京都、東京撮影所の所長を歴任し、鶴田浩二さんの「人生劇場・飛車角」や藤純子(現富司純子)さんの「緋牡丹博徒」などのシリーズもので任侠路線を確立。菅原文太さんらを起用してやくざの抗争を描いた「仁義なき戦い」をシリーズ化して実録路線として定着させた。
1971年から93年まで社長を務めた後、会長、相談役を経て2006年に名誉会長。日本映画製作者連盟の会長なども務め、邦画の復興に尽力した。
著書に「悔いなきわが映画人生―東映と共に歩んだ50年」などがある。
1995年勲二等瑞宝章。