Apple Watchにそっくり、高級時計「アルプ・ウォッチ」が色々と挑発的
来たるスマートウォッチ時代、高級腕時計との戦いが始まるか、始まらずに終わるか...。
トップ写真は、噂の「アルプ・ウォッチ」。あの某スマートウォッチのようなデザインが特徴です。アルプス(英語ではアルプ)の山々を有する、そして歴史ある時計の製造で有名な...といえばもう他でもない、スイス生まれの腕時計です。
高級時計メーカーH. Moser & Cieによって手掛けられたアルプ・ウォッチ。電話もメッセージ送受信も心拍センサーの機能もないけれど、時間だけはちゃんと知らせてくれます。
生産数たったの50台と、世に出回る数は限定的。お値段はずばり25,000ドル(約300万円)で、これは18カラットのApple Watch以上の価格です。Apple Watchのデザインは好きだけれど特に高機能は必要ないし、代わりにアルプ・ウォッチでも買おうか...なんて考えにはとても簡単には至らなさそうですね...。
さらに下記の動画もなかなか見逃せませんよ。「200年以上の歴史」「世界を変える」「アップグレードの必要なし」「たった1つのアプリケーション:時計」...なんていうコピーつきで製品が紹介されているのだから、これはもはやアップル社への挑戦状ムービーのような...。
でも、いったい何故こんな大胆なことをしているのでしょうか?
プレスリリースでは、スマートウォッチの出現に対して「スイスの時計メーカーの価値と名誉のために戦う」ことを宣言したH. Moser & Cie社。「数世紀にわたって培ってきた業界の歴史が変わろうとしている"危機"を何もせず待っているかのような姿勢」だとして、同国内の同業他社に対して批判する文章も同時に公開しました。
ただ同社といえば、年間1,500ほどの時計を製造販売するスモールビジネスを展開するメーカー。これは時計大国スイスでの立ち位置は、決して大きな役割を占めているわけではないのも事実なので、今回の発言がどれだけ影響力を及ぼすか様子を見る必要があります。
一般層からは、このコンセプトを支持する声もあれば、そもそもスマートウォッチ自体が普及していない今、時期尚早で大袈裟だと捉える意見、さらにアルプ・ウォッチは一部の高所得者向け製品であることから、高い価格設定を批判する声もあるなど、その評価は様々。今回のH. Moser & Cie社の表明について、みなさんはどう思いますか?
source: H. Moser & Cie via Hodinkee via Verge
Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文]
(Rina Fukazu)
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