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シリア緊急事態:防寒支援が急務
シリア、そしてレバノンやイラクなど周辺国に厳しい冬がすでに到来
これからの数か月、難民たちにとって生き残りをかけた闘いになります
シリアでの4年にわたる紛争で、400万人を超えるシリア人が、主に5つの周辺国(トルコ、ヨルダン、レバノン、イラク、エジプト)へ逃れて難民となる一方、760万人以上の人々が家を追われ、シリアの他の地域に逃れることを余儀なくされました。
今では危機以前の人口2,300万人のうちの半数以上が深刻な影響を受け、避難を強いられていることになります。そうした難民、避難民の多くは安全とはいえない、劣悪な住環境の中で生活しています。
11月も半ばとなり、シリアや周辺国ではすでに厳しい寒さとなっています。この地域では冬の気温は0度~-5度にもなり、凍てつく寒さとなります。
すでに劣悪な住環境に暮らす難民にとって、冬の数か月間は、命の危険と隣り合わせの闘いです。
UNHCRのこれまでの防寒支援活動で得た教訓から、11月には各家庭が冬を乗り越えるための準備を確実に整えておくことが重要です。
UNHCRは、凍てつく寒さがこの一帯を覆い、何百万人もの人々が厳しい寒さにさらされる前に防寒対策を本格的に実施できるよう、今年6月から準備を開始しました。
すでにUNHCRと事業実施パートナーは連携してテントの交換や修理キットの支給を行い、緊急救援物資を届けるとともに、吹雪で家が壊れて逃げざるを得なくなった人たちに代わりの仮設シェルターを提供するための準備をしています。
大雪に見舞われ、仮設住居の雪下ろしをする人々(レバノン)
2015から2016年に実施する防寒支援計画の一環として、UNHCRは、最も支援を必要としている250万人(難民123万人とシリア国内の125万人)を対象に、4か月にわたる冬(2015年11月~2016年2月)への準備を支援します。そのため、UNHCRのシリアやイラクなどの各現地事務所は現在、障がい者や高齢者、重病の人、母子家庭、保護者のいない子どもなどを含む、最も危険にさらされ、最も支援を必要としている人々の特定を進めています。
2015年、UNHCRの防寒支援には、命を守るために最低限必要な以下のような援助や物資を含みます。
- 冬服(靴を含む):衣類は、引換券や現金、直接支給により提供します。
- 保温性の高い毛布:新たに避難してきた人々をはじめ、厳しい寒さにさらされるリスクの最も高い人たちに、標準的な支援キットとともに保温毛布を届けます。
支援物資の毛布にくるまる少年(イラク)
- ビニールシート:追加のビニールシートも、風雨対策として最も基本的かつ費用対効果の高い手段になり、今使っているシェルターの断熱性や保温性を高めるのに役立ちます。
- シェルター用断熱材:テントや仮設シェルターの断熱性を高め、凍てつく寒さを和らげるために役立ちます。
- 暖房用燃料:燃料(ガスまたは灯油)を、引換券か直接配給のいずれかの方法で支給します。
- ストーブ・暖房器具:ストーブや暖房器具が入手困難な場合には、冬の期間に新たに到着した、最も支援を必要とする世帯に対して支援を行う予定です。
- 冬季現金支援:1年を通じて行っている、生きるために必要な金銭的支援に加え、最も支援を必要とする世帯には追加の現金支援を実施します。
冬用コートで赤ん坊の息子を包むエサム(34歳/バシマ難民キャンプ・イラク)。テントで生活する彼らは、UNHCRの支援によるテント用断熱材と灯油ヒーターによって厳しい寒さをしのいだ(2014年)
着の身着のまま逃れてきた多くの難民にとって、UNHCRの支援なしに冬を乗り切ることは非常に難しい状況です。現地が雪に覆われるまでに必要な物資を支給することが急務ですが、支援のために必要な資金が大幅に不足しており、一刻を争う事態となっています。
どうぞ皆様の温かいご支援をお願い申しあげます。
皆様のご支援でできること
- 約10,000円で ⇒ 1家族分(5人)のストーブの支給(トルコ)
- 約18,000円で ⇒ 3家族分の温かい毛布の支給(ヨルダン)
- 約32,000円で ⇒ 12家族分の冬用の衣類の支給(シリア)
冬用の衣類と保温毛布をUNHCR職員から受け取る難民女性(トルコ)