【ソウル=小倉健太郎】旧日本軍の従軍慰安婦問題を扱った書籍「帝国の慰安婦」の著者、朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授に元慰安婦らが約2億7000万ウォン(約2640万円)の損害賠償を求めた訴訟でソウル東部地裁は13日、著書の一部の表現が元慰安婦らの名誉を傷つけたと認め、朴氏に9000万ウォンを支払うよう命じた。聯合ニュースが伝えた。
原告は慰安婦が日本軍と「同志的関係にあった」などとする記述を問題視した。朴氏は元慰安婦を傷つける意図がないほか全体としては日本の責任も指摘していると主張。学問の自由も訴えたが、地裁は「被害者の人格権は学問の自由よりも重視されうる」などと判断した。
朴氏は2015年11月、ソウル東部地検から「帝国の慰安婦」が元慰安婦の名誉を毀損したとして在宅起訴された。研究書に対して刑事責任を問うのは学問や表現の自由に対する公権力の介入だとして有識者約190人が抗議声明を出した。今月20日に初公判が開かれる予定だ。
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