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縦ロールは嫌ですわ!o( >_< )o 作者:瀬那川 匠
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入学式!

『七峰学園』初等部から大学部まである企業の坊っちゃん嬢ちゃんや御曹司、ご令嬢が数多く在籍している。七峰学園に入学すらるいう事はエリートコースを進む為のステータスである。その規模は正直無駄って言っていいほどだだっ広い。初等部、中等部、高等部、大学部それぞれが小高い山を一つずつ敷地内に持っている。設備はオリンピック選手が羨む位に整ったトレーニングルームや体育館、プロの楽団が演奏したがるパイプオルガン付きの講堂という名のホール、三星シェフが毎週入れ替わりになり腕を振るう食堂、絶対に一度も読まれていない本が100冊以上あるであろう迷子になりそうな程大きな図書館、一体幾らかけて維持してるんだ、と思っていたけれどどうやら『城之内』(つまり今の私の家ね)と『一宮』(今の私の婚約者の清水様の家ね)が中心となり創りあげたらしい。入学式で学園長先生が創立当時の事を話し始めたので半分聞き流しながらボーっとしていたら『城之内』と『一宮』の名前が出てきたのでびっくりして目が覚めた。

 そう、入学式。いよいよ乙女ゲームがスタートしたのだ。私的にはいつ悪役令嬢の部分が癖で出るかいつヒロインと遭遇するか分からなかったので、講堂(という名のホールね)に着席するまでヒヤヒヤしていた。まぁ、入学式が始まったら終わるまでただ話を聞けばいいだけなので気が緩んでこうしてボーっとしていられたんだけどね。オープニングで桜並木の中を歩くヒロイン目線の映像から始まり、そのまま入学式が始まる。そこでカメラが次々と切り替わりキャラ紹介見たいのになる。その時の優理絵はこれぞ悪役令嬢というような悪そうな黒い笑顔に笑ってないケバケバな目ともうドリルと言っていい縦ロールだった。それに比べたらほぼノーメイクにドリルは封印してカチューシャにしたし大分変わったと思う。この数時間で良くやったよ私。

 あ、生徒代表挨拶だ。お兄様生徒会長のお仕事ちゃんとしてるなぁー。窓から注がれる爽やかな朝日がお兄様の白紫の頭を照らして普段よりをキラキラが120%増しになってる気がする。そうそう、ヒロインはのキラキラなお兄様を見て一目惚れするんだった。お兄様ルートに入るためには入学式直後にイベントをこなさなければならない。普通だったら、入学式が終わったら直ぐに教室に行くのだけれども、選択肢が出てきて、『少しだけ校内を探検する。』を選ぶと生徒会長として入学式直後のあれこれを終えたお兄様と結局迷子になったヒロインが鉢合わせする。というものだ。悪役令嬢になるのを防ぐべく、ヒロインがどのルートを選ぶのかは把握しておかなければならないので入学式が終わったら張り付いておくか。

 お、キラキラお兄様が壇上を降りていく。全く話聞いてなかったが何か周りの女子諸君は頬を赤らめて、男子諸君は目を輝かせているのでありがたい話でもしたのだろうか。

 お兄様の白紫の髪色とは正反対の漆黒の髪色した新入生代表生徒が入れ違いに壇上に上がる。清水様だ。お兄様の時は窓からの光がまるで天使様のような演出をしていたが、清水様だと、天使様というよりかは堕天使?悪魔?なんかそんな感じがする。あ、こっちもいらん事考えてる間にいつの間にか挨拶が終わっている。え、何かこっち見た。何?目があったんだけども。……後で聞こう。

 さぁ、後は校歌を歌ったらとりあえず入学式はお終いだ。この講堂はパイプオルガンもある程なのでオーケストラピットもあるのだ。だから勿論生演奏。いやぁ〜、元吹奏楽部員としては各学校の演奏聴いただけでそこの学校のレベルが分かるからかなり興味があるんだよねー。まさにダンボ耳である。っと、思ったら前奏が始まった。



 え、

 え、

 え、

 何これ!




 メッチャ上手い!!!
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