トップ > 一面 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

一面

二世帯同居など4%安く 中電が家庭用新プラン

写真

 中部電力は十二日、四月の電力自由化に向けた家庭向けの新料金メニューを発表した。電力使用量が多い家庭は、現行料金に比べて電気代を最大で4%安くできるという。電気の使用量や使用パターンに応じて八種類のプランを用意し、顧客のつなぎ留めを図る。

◆電気代が生活形態で8種類

 対象は中部電力管内(愛知、岐阜、三重、長野の各県と静岡県の富士川以西)の約六百万世帯。新料金は、毎月投函(とうかん)される検針票に記載されている「契約種別、契約容量」に対応してプランをつくった。例えば二世帯同居やペットのために暖房を使うなど、電気使用量が特に多い七kVA(キロボルトアンペア)以上の家庭が契約できる「とくとくプラン」は、従来の料金が月約二万九千九百円だった場合は最大で約千百円(4%)安い、約二万八千八百円に抑えられる。

 一方、契約容量が三十A(アンペア)以下の単身世帯などを想定した「ポイントプラン」は、基本料も電気単価も現行制度と同額だが、インターネットの無料会員サイト「カテエネ」を活用すれば1%ほどの節約が可能という。ただ、「カテエネ」未利用の家庭には恩恵がないため、現行契約を続けることが現実的だ。

 深夜に電気を多く使うオール電化家庭や、夜型生活を送る家庭向けには、夜間十時間の料金が割安のプランを用意した。家庭用の電力を使用している商店や事務所、飲食店向けには複数のビジネス用プランがある。

 新規参入事業社には二年間契約で割引を導入し、囲い込みを図る例が多い。一方中電は、二年間契約を途中で解約しても解約手数料は請求しない。

 本紙の取材では、中部地方では東邦ガスやKDDIなど二十社近くが新規参入して四月からの販売を準備。中電の新料金発表を受けて各社独自の料金プランが出てくる見通しだ。

 お客さま本部長の清水成信(しげのぶ)取締役は「公表されている競合他社と比べても十分対抗しうる設定だ」と自信を示した。契約の申し込みは十三日午前九時から「カテエネ」サイトか、フリーダイヤル=(0120)922187=で受け付ける。

 <電力小売り全面自由化> 全国10社の大手電力による電力販売の地域独占を完全に撤廃すること。日本では2000年から工場やオフィス向けで自由化が段階的に進められてきた。今年4月から家庭向けが自由化され、利用者は電力会社を自由に選べるようになる。異業種の新規参入も相次いでおり、電気料金の引き下げやサービスの向上が期待される。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索