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「帝国の慰安婦」の著者に賠償命令1月13日 18時57分
慰安婦問題を巡る韓国国内の一般的な認識は実態とは異なると著書で指摘した韓国の大学教授に対し、一部の元慰安婦たちが名誉を傷つけられたと訴えた裁判で、裁判所は、原告側の主張を一部認め、教授に日本円でおよそ880万円の支払いを命じました。
韓国のセジョン(世宗)大学のパク・ユハ(朴裕河)教授は、2013年に出版した「帝国の慰安婦」の中で、慰安婦問題の原因は日本の植民地支配にあるとする一方で、「20万人の少女が日本軍に強制連行された」という韓国国内での一般的な認識は実態とは異なると指摘しました。
この本を巡り、おととし6月、元慰安婦9人が一部の記述によって名誉を傷つけられたとして、パク教授に対し、合わせて2億7000万ウォン(日本円でおよそ2650万円)の損賠賠償などを求めました。パク教授は、「元慰安婦の名誉を傷つける意図はなく、本の内容が曲解された」と主張して、訴えを退けるよう求めていました。
13日の判決で、ソウルの地方裁判所は、「『女性たちは旧日本軍と同志的な関係にあった』といった表現は、女性たちが被害者だという事実をわい曲した」などとして、原告側の主張を一部認め、パク教授に対し、合わせて9000万ウォン(日本円でおよそ880万円)の賠償を命じました。
この本を巡っては、同じ元慰安婦たちによる刑事告訴を受けて、韓国の検察がパク教授を名誉毀損の罪で在宅起訴していて、「言論や学問の自由を封じるものだ」という批判が韓国の内外で広がっています。
この本を巡り、おととし6月、元慰安婦9人が一部の記述によって名誉を傷つけられたとして、パク教授に対し、合わせて2億7000万ウォン(日本円でおよそ2650万円)の損賠賠償などを求めました。パク教授は、「元慰安婦の名誉を傷つける意図はなく、本の内容が曲解された」と主張して、訴えを退けるよう求めていました。
13日の判決で、ソウルの地方裁判所は、「『女性たちは旧日本軍と同志的な関係にあった』といった表現は、女性たちが被害者だという事実をわい曲した」などとして、原告側の主張を一部認め、パク教授に対し、合わせて9000万ウォン(日本円でおよそ880万円)の賠償を命じました。
この本を巡っては、同じ元慰安婦たちによる刑事告訴を受けて、韓国の検察がパク教授を名誉毀損の罪で在宅起訴していて、「言論や学問の自由を封じるものだ」という批判が韓国の内外で広がっています。
判決のあと、元慰安婦の女性の1人は、「裁判所がよい判決を出してくれた。私たちのような人生を送る人が二度と出てはならない」と話していました。
判決について、パク・ユハ教授は、NHKの取材に対し、「判決内容は承服できない。控訴するつもりだ」と話しています。
菅官房長官は午後の記者会見で、「本件は、韓国人に対する韓国内の司法手続きに関する話なので政府の立場としてコメントは差し控えたい。ただ一般論で言えば、いかなる国であっても表現の自由が確保されることは重要だ」と述べました。