複数のサイトからパクってひとつの記事にしても上位表示できるのか
ブログをソースごとパクられたとか、記事単体でコピーされた、という話はよく聞きますよね。実際に Naifix でも何度かパクられています(たぶん今も)。
仮にひとつの記事をそのままパクって公開しても、検索エンジンは先にインデックスした PageRank の高い記事を上位表示します。そのため、自動でパクりサイトを量産して稼ごうと思っても無駄骨に終わるでしょう。
では、異なるサイトの複数の記事からパクって多少のリライトを加え、ひとつの記事にまとめた場合はどうなるのでしょうか。
目次
オリジナルコンテンツに極めて似ている記事
これからご紹介するひとつの記事は、僕が制作したものではありません。
ですので実際にパクったのかどうか不明ですし、もしかしたら転載許可を得ているのかもしれませんし、たまたま似たような文章になってしまっただけかもしれません。
ただ、2 つの異なるサイトと似たような文面・構成で書かれている記事、というだけ。
それが、iSchool というサイトに掲載されているこちらの記事です。
タイトルどおり、サブドメインとサブディレクトリについて書かれていますが、まずは一字一句じっくりと読んでみてください。
読み終わりましたら、以下の記事を続けてご覧ください。
サブドメインとサブディレクトリをGoogleはどう扱うか? 新規サイトはどちらを使うべきか?(海外SEO情報ブログ)
2016 年 1 月現在、「サブドメイン サブディレクトリ」で検索した順位はこちらです。
※日付は記事公開日
SEO HACKS | 1 位 | 2011/10/28 |
海外 SEO 情報ブログ | 5 位 | 2012/11/01 |
iSchool | 6 位 | 2015/08/07 |
以下、個人的に「すげー似てる!」と思った部分を抜き出してみます。
SEO HACKSさんと似た文面(前半)
まず、前半部分は SEO HACKS さんと似た文面がいくつか出てきます。
見出し:サブドメインとは
「http://xxxxx.com/」をルートドメインとした場合に、「http://sub.xxxxx.com/」の「sub」の部分をルートドメインに対するサブドメインと言います。(iSchool)
サブドメインとは、「http://example.com/」を本体(ルートドメイン)とした場合に、「http://sub.example.com/」の”sub”の部分をルートドメインに対するサブドメインと呼びます。(SEO HACKS)
見出し:サブディレクトリとは
「http://xxxxx.com/sub」の「sub」の部分をサブディレクトリと言います。(iSchool)
一方「http://example.com/sub/」の”/sub/”の部分はサブディレクトリと呼びます。(SEO HACKS)
テーマや役割が異なるコンテンツの場合はサブドメインが適しているのです。(iSchool)
テーマや役割が異なるコンテンツである場合にはサブドメイン」という考え方で良いと思います。(SEO HACKS)
例をあげると、Yahoo!JAPANは巨大なポータルサイトで、ヤフオクはオークションサイトで、Yahoo!知恵袋はQ&Aサイトです。
Yahoo!の名を持つサイトとはいえ、これらのサイトは異なる独立したものなので、この場合はサブドメインで切り分けた方がユーザーにとって使い勝手がいいのです。(iSchool)
例えばYahoo!JAPANは巨大なポータルサイトですが、Yahoo!知恵袋はQ&AサイトですしYahoo!オークションはオークションサイトです。Yahoo!の名を持つサイトではありますが、サイトとしての性質と目的がそれぞれ異なる独立したものですので、この場合はサブドメインで切り分けるのが自然と思います。(SEO HACKS)
現時点でGoogleのウェブマスターツールでは、「サブドメインからの被リンク=内部リンク」とカウントされますので、別ドメインのサイトからのリンクと同等の扱いにはなりません。(iSchool)
現時点でGoogleのウェブマスターツールにおいては「サブドメインからの被リンク=内部リンク」とカウントされていることを考慮すれば、通常のサイト内リンクと全く同一の扱いであるかは別としても、少なくとも完全なる別ドメインのサイトからのリンクと同等の扱いではないということは想像できると思います。(SEO HACKS)
iSchool さんが記事を公開した 2015 年 8 月の時点では、ウェブマスターツールではなく Google Search Console になっていたと思うんですけどね…
海外SEO情報ブログさんと似た文面(後半)
あいだに引用をはさみ、後半部分からは海外 SEO 情報ブログさんと似た文面がいくつか出てきます。
とはいえ、SEOだけを考えると、サブドメインよりもサブディレクトリの方が有利な点が幾つかあり、有利かもしれません。(iSchool)
SEOだけに100%フォーカスした場合は、サブドメインよりもサブディレクトリのほうが有利かもしれません。(海外SEO情報ブログ)
・サブディレクトリで展開している場合であれば、ドメインに対して与えられている評価を受けることが出来ます。
・サブディレクトリのページは、内部リンクでPageRankを渡してもらうことも出来るのです。
(iSchool)
・検索結果の表示に違いはないといっても、評価という点で考えるとサブディレクトリはドメインに対して与えられている評価を受け取ることができる。
・サブディレクトリのページは内部リンクでPageRankを渡してもらうことができるし、逆に内部リンクで他のページにPageRankを流すこともできる。
(海外SEO情報ブログ)
・ユーザーの使い勝手と、ビジネスの形態を考えて、利用しやすい方を選ぶ
・SEOを考えると、サブディレクトリの方が有利である
(iSchool)
・システム構成やビジネス形態に合わせて利用しやすい方を使う
・SEOを考えた場合、サブディレクトリの方が有利な点が多い
(海外SEO情報ブログ)
リストの使い方まで似ていますね。
sujiko.jpの類似ページ判定結果
繰り返しますが、ここで紹介した文面は個人的に似てるなと思っただけで、実際のところパクりなのか参考にしただけなのか似ているだけなのかはわかりません。
もっとも、それは検索エンジンも同じだと思います。
サブドメインとサブディレクトリに関して 100 人が書けば、似たような文章や構成の記事が出てくる確率はそれほど低くないでしょう。
ちなみに、ミラーサイト・類似ページ判定ツール sujiko.jp で調べた結果はこちらです。
iSchool 記事内の文章を適当に選んで Ferret+ のコピーコンテンツチェックツールでチェックしたところ、C 判定となりました。
いずれにしても、真実は記事を書いた本人にしかわからないことです。
表面から見える事実は、「パクったかどうかに関わらず、複数のサイトと似たような文面がならぶ記事でも検索上位は可能である」ということでしょう。
残念なのは、パクる行為を正当化して推奨しているようにもみえる方がいる、ということです。
どうすれば上位表示できるのか
完全無欠のオリジナルコンテンツを作るというのは易しいことではありません。むしろ不可能に近いのではと思います。
先に挙げた「サブドメインとサブディレクトリ」に関する話だって、どちらが検索に有利なのかという話を事実に基づいて書けば、似たような内容になるのは当然のこと。
説得力をもたせる読みやすい文章の書き方にも法則があるわけですから、言い回しは違っても同じような文章の流れになることもあるでしょう。
あとは、誰に向けて書くのか、誰が書いたか、という違いと、情報の鮮度が変わってくるだけです。
これらのことは検索エンジンも当然わかっていることで、同じようなことが書かれているサイトがあれば、いずれかひとつを上位表示するよう調整しています。
参考「重複コンテンツはスパムでGoogleにペナルティを受ける」は、なぜ間違いなのか
上位表示サイトからパクるという教え
ブログの書き方やブログ SEO を教えている方のなかには、「上位表示されている記事からパクれ」と指導している方もいます。
参考にするとかリサーチするとか表現は違うものの、言っていることは同じ。
いえ、どんな表現であっても、教えられるほうにしてみたらパクれと言われているのと変わらない、というのが正しいですね。
たとえば、特定のキーワードで上位表示したい場合、そのキーワードで実際に検索して上位 5 ~ 10 サイトの記事を読んで、どんなことが書かれているかを調べます。
そして、各記事から重要だと思われる部分を抜き出します。
最後に、各ポイントがつながるように組み立てて、できれば上位サイトよりボリュームが出るようにし、オリジナル文を付け加えてひと記事完成。
売れる曲を作りたいなら、売れている曲をいくつかピックアップしてつなぎ合わせろ! でもサビぐらいは自分で考えて、という感じですね。
教える側は「参考にする」程度で発言しているかもしれませんが、教えられる側はどこからどこまでが「参考」なのかわかりません。
なので、上位サイトに書かれている文章をちょこっとリライトして組み合わせた程度で、それが自分の考えたオリジナル記事であると言っちゃうわけです。たとえ第三者から見てパクリであっても。
ただ上位表示だけを目指すなら何でもあり
ブログを「検索上位を目指すゲーム」とか「PV を集めたほうが勝つバトル」と認識していて、それが楽しいならどんどんやってください。
グレーなことにもブラックなことにも手を出して、どうすれば上位表示できるのかをひたすら研究して極めるのも面白いんじゃないでしょうか。
現に、似たような内容でも上位表示は可能なわけですから。
その後どうなるかといえばたぶん何も残りませんが、何も残らなかったという体験もまた大切だと思います。
ちなみに、上位サイトを調べていくつかのポイントを抜き出す、というのはリサーチ research ではなくただのサーチ search です。それでマーケティングとか言うのは恥ずかしいのでやめましょう。
まとめ
残念ながら、「複数のサイトからパクってひとつの記事に仕上げたものでも上位表示できる」というのは事実です。
この手法がずっと通用するかはわかりませんが、その行為が新しい価値を生み出すことにつながっていないのであれば、やがて淘汰されていくでしょう。
パクったりパクられたり、というのはこれからもずっと続くと思います。願わくは、あなたがパクる側になりませんように…
それでは、また。
この記事へのコメント