韓国が金融危機に備えてか、日本との通貨交換(スワップ)協定の復活に意欲を示し始めた。ただ、もともとは朴槿恵(パク・クネ)政権の「反日」政策の一環で、韓国側が協定の延長を求めなかっただけに、虫のいい話でしかない。「上から目線」の物言いも相変わらずだ。果たして、日本が協定復活に応じる理由はあるのか。
「考える価値はある」
韓国の次期経済副首相兼企画財政相に内定している柳一鎬(ユ・イルホ)前国交相は11日、金融危機に備えて緊急時に外貨を融通し合う日本とのスワップ協定再開に前向きな考えを示した。国会の人事聴聞会で述べたと聯合ニュースが報じた。
この協定は、2008年のリーマン・ショック後の資金流出危機の際、ドルを調達した手段であり、韓国経済の「命綱」ともいえるが、朴政権の意向で昨年2月に延長されずに終了した。
しかし、韓国経済の低迷は深刻で、いつ金融危機が起こってもおかしくない状況とされる。昨年10月には韓国の全国経済人連合会(全経連)が、日本の経団連との会合で再開を呼び掛けた。
韓国側としては「背に腹は変えられない」というのが本音だろうが、前出の柳氏の「考える価値はある」との物言いはいかがなものか。事実上の韓国通貨救済策であり、日本側には何のメリットもないのだ。
こうしたなか、韓国は「反日」外交の切り札だった慰安婦問題について、少し気になる動きを見せた。
韓国女性家族省は11日、慰安婦問題の関連資料をユネスコ(国連教育科学文化機関)に登録する手続きについて「民間団体が進めている」と表明し、政府として積極的に登録を推進しない方針を示した。
韓国としては、日本に“譲歩”したつもりかもしれないが、ならば、ソウルの日本大使館前の慰安婦像をはじめ、世界各国の像や碑を撤去してみてはどうなのか。