菅義偉官房長官が2013年に支出した約13億6千万円の官房報償費(機密費)の使途などについて、市民団体「政治資金オンブズマン」(大阪市)のメンバーが国に関連文書の開示を求めた訴訟の判決で、大阪地裁の田中健治裁判長(山田明裁判長代読)は22日、一部について、国が不開示とした処分の取り消しを命じ開示を義務付けた。
機密費の使途などについて、一部開示を命じた判決は3件目。これまでの2件は双方が控訴しており、来年1月20日に大阪高裁で判決が言い渡される。
開示の対象としたのは、利用者が記されていない公共交通機関の領収書のほか、支出先を記載しない「政策推進費受払簿」「報償費支払明細書」など。判決理由で田中裁判長は「具体的な使途や相手方が特定される恐れがあるとは考えがたく、内閣官房の事務遂行に支障を生じる恐れもない」と指摘した。
一方、支払先などが分かる他の資料は「公にすることで国の安全が害されることも否定できない」とし、不開示処分は妥当と判断した。
内閣官房内閣総務官室は「国の主張が一部認められず、厳しい結果と受け止める。判決の内容を精査した上で適切に対応したい」とのコメントを出した。
菅義偉、公共交通機関、機密費