防衛省は、次世代戦闘機開発に向けた国産初のステルス実証機を、2月、国内で初飛行させる。実証機の技術を生かし、航空自衛隊に現在配備しているF2戦闘機の後継機の開発を進め、2028年度以降の部隊配備を目指す。
実証機は全長約14メートル、全幅約9メートルで実際の戦闘機よりひと回り小さい。機体は三菱重工業、エンジンはIHIが製造した。開発は09年度から始まり、開発費は約394億円。レーダーに映りにくいステルス性を備える航空機の飛行が成功すれば、米国、ロシア、中国に続くという。
今月末の地上滑走試験を経て、2月には愛知県営名古屋空港(同県豊山町)から空自岐阜基地(岐阜県各務原市)まで初飛行させる。3月に実証機を引き受ける防衛装備庁は16年度に飛行試験を行い、レーダーへの映りにくさや機動性などのデータを蓄積する。その後、次期戦闘機を純国産にするか、国際共同開発・生産にするか判断し、設計・製造に進む。
同庁はステルス機について「日本周辺の防空、戦闘能力が高まり、抑止力が向上する。国内企業の技術基盤の底上げにもつながる」としている。
朝日新聞社