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【高論卓説】無謀にも格付けなしでスタートするAIIB トリプルA以外は願い下げ!? 背景には中国政府のメンツが…

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【高論卓説】
無謀にも格付けなしでスタートするAIIB トリプルA以外は願い下げ!? 背景には中国政府のメンツが…

南シナ海の領有権問題をめぐり、中国政府に抗議するフィリピンの人々。アキノ政権はAIIB署名に踏み切った=2015年11月、マニラ首都圏(AP)

 おそらく、その答えは中国がメンツをかけて格付けの最上級である「トリプルA」を狙っているということにある。ロイター通信によれば、AIIBの初代総裁に内定している金立群氏は昨年9月17日にシンガポールで開かれた国際会議で「投資家がわれわれをトリプルAと認識し、格付け会社がそうしないならば、格付け会社の評判が大きく傷つくだろう」と話した。

 そのうえで、トリプルAが得られない場合でも中国国内で200億~300億ドルを非常に有利な金利で調達できるという見方を示したという。実際、中国の国有銀行からドル資金を借りることは容易なはずだ。

 実は、中国政府のトリプルA取得への意気込みは並々ならぬものがある。日米が主導するアジア開発銀行(ADB)の格付けはトリプルAで、それを下回るのはメンツにかかわると考えているのだ。ADBでは名目上の資本金に対して実際に参加国が払い込んでいる現金の比率は5%だが、この数字はAIIBでは20%だ。キャッシュを手厚く持つことで高い格付けを得ようとしているのだ。

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