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【高論卓説】
無謀にも格付けなしでスタートするAIIB トリプルA以外は願い下げ!? 背景には中国政府のメンツが…
中国が主導する国際開発金融機関、AIIB(アジアインフラ投資銀行)が昨年12月26日に正式に発足した。1月16日から3日間、北京で設立総会を開き、いよいよ始動する。
昨年12月3日、中国の国営通信社である中国新聞社が目を引くニュースを報道した。AIIB準備チームの幹部が、「格付けの取得には時間がかかるため、資金調達のために発行する債券は格付けなしになる」という見通しを示したというのだ。
また、この幹部は本件については韓国の企画財政省が支持と「積極的な参加」を表明しているとも話したという。初年度の起債規模は1億~5億ドルを見込んでいる。
格付けは債券の信用度を示すもので、それなしで国際的に資金調達を行うことは通常は考えられない。買い手は、まったくリスクが測れない商品に投資することになるからだ。AIIBの背後にいる中国財政省があえて、そんな無謀を行う理由は何か。また、それに付き合う韓国政府の思惑は何なのか。国際金融のプロの間でも、そのミステリーの解釈に悩む向きが多い。