韓国の釜山地方警察庁が11日、バラエティー番組に出演して警察のイメージを向上させたとして刑事3人に表彰状を授与し、物議を醸している。
この刑事らが出演したバラエティー番組『無限挑戦』は、昨年12月10日に釜山で撮影された。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じた情報提供、位置追跡、防犯カメラ映像などを活用し、指名手配犯を演じた番組出演者らを「検挙」するというものだった。捜査状況チームから3人、追跡検挙チームから8人の計11人の刑事が出演した。
釜山警察庁は「番組に出演したことで、市民の情報提供が犯人検挙や事件解決に決定的な役割を果たすことを周知させた。刑事たちが休みの日に(出演して)釜山警察の広報に尽力し、放送後に市民からのねぎらいや称賛が殺到したことから、士気を高める意味で表彰した」と説明している。
ただ、出演した刑事らが、最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)代表の事務所(釜山市)で人質を取って立てこもった男、11億ウォン(約1億円)をだまし取った詐欺犯、電話による詐欺に関与した中国人らを検挙した警察官4人とともに表彰されたことから、警察内部では「実際の犯人検挙とバラエティー番組で芸能人を捕まえたのを同列に見ている」との批判も出ている。凶器を持って立てこもった犯人を制圧したり、数カ月の捜査の末に詐欺犯を捕まえたりした功労と、テレビ番組出演を同じようなものと見なしているとの指摘だ。