【コラム】韓国から乳児売買をなくすには

 「養子を大量輸出している唯一の経済協力開発機構(OECD)加盟国」で、超少子化国でもある韓国で、4日に明らかになった「赤ちゃん密売事件」は国の恥だ。「赤ちゃんがすごく好き」という23歳の未婚女性の本音を解き明かす必要があるが、彼女が未婚の母から生まれた乳児を6人も買うことができた「未開社会的」乳児遺棄や、闇取引の実態・制度的弱点にも大掛かりな「手術」が必要だ。

 この女性はポータルサイトを乳児闇取引窓口に悪用していたことが警察の調べで分かった。養子や養子対象児の管理を手掛ける財団法人中央入養院はこの1年間で、大手ポータルサイト二つで児童放棄者や個人養子縁組希望者の問い合わせに関する書き込み約30件と、違法な養子縁組を試みた130以上の会員ID所持者を摘発し、警察庁と該当のポータルサイトに捜査や削除を要請した。削除された書き込みは「妊娠9カ月の高1女子。中絶するには遅いし、育てる経済力もないので養子に出したい」「ブローカーだ。メッセージが欲しい」などの内容だった。関係者は「ポータルサイトの会員制掲示板などは監視が不可能だ。児童取引所として悪用されないよう、いっそう強力な制裁が必要だ」と語った。

 一部の病院・助産院では、養育を放棄した出産予定者の代わりに養子縁組を希望する女性を診療患者として登録させ、出産直後は「偽の生みの母」を「生みの母」に変える手法を使っていたことが分かった。従って、現行の出生届制度を「出生自動登録」制度に変えるべきだという専門家の主張は一理ある。「現行の制度は出生後1カ月以内に届ければいいので、心の葛藤を抱える未婚の母たちは、違法養子縁組に誘惑される可能性がある」ということだ。

社会政策部=朴瑛錫(パク・ヨンソク)次長
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