トップページ社会ニュース一覧女児死亡 縛り付けるなどの虐待なかったか捜査
ニュース詳細

女児死亡 縛り付けるなどの虐待なかったか捜査
1月13日 18時26分

女児死亡 縛り付けるなどの虐待なかったか捜査
k10010370071_201601131835_201601131838.mp4
埼玉県狭山市のマンションで、3歳の女の子が顔にやけどを負った状態で遺体で見つかり、母親と同居していた男の2人が逮捕された事件で、部屋の押し入れの中に、ロープなどをくくりつける金具が取り付けられていたことが、警察への取材で分かり、警察は縛り付けるなどの虐待が行われていなかったか詳しく調べています。
今月9日、狭山市のマンションの部屋で、藤本羽月ちゃん(3)が遺体で見つかり、警察は顔にやけどをしていた羽月ちゃんを放置したとして11日、母親で無職の藤本彩香容疑者(22)と内縁の夫の大河原優樹容疑者(24)を保護責任者遺棄の疑いで逮捕しました。
警察の調べによりますと、羽月ちゃんは顔全体にやけどをしていたほか、あざなどの傷がほぼ全身にあったということです。さらに、部屋の押し入れの中に、ロープなどをくくりつける金具が取り付けられていたことが警察への取材で分かりました。警察はロープで縛り付けるなどの虐待が行われていなかったか詳しく調べています。
捜査関係者によりますと、羽月ちゃんへの暴行は去年秋ごろからエスカレートしていった疑いがあり、警察は虐待が繰り返されていたとみて、実態やいきさつなどについて解明を進めています。

近所の男性は2回警察に通報

羽月ちゃんが虐待されているのではないかと疑い、去年6月と7月の2回に渡り、警察に通報したという近所に住む男性は「去年6月に、羽月ちゃんが、玄関先で布団にくるまって泣いているのを見て、虐待かもしれないと思い警察に通報しました。その後も、幼い子どもが、夜の11時、12時まで起きているのが当たり前で、壁をドンドンたたくような音や子どもの泣き声もよく聞こえるなどおかしなことがあったので、再び警察に連絡しました」と話していました。また、警察の対応については「警察官が来た時に虐待のおそれもあるので十分注意し、夜も巡回をしてほしいと伝えましたが、そうした対応は最初のうちだけで、ほとぼりが冷めたら放置してしまい、今回の結果を招いてしまったと思います。きっちりと対応していれば、防げたのではないかと思います」と話していました。

専門家「典型的なケースで警戒必要だった」

児童虐待を防ぐ対策について話し合っている厚生労働省の委員会で委員を務める山梨県立大学の西澤哲教授は「厚生労働省が虐待による死亡事例を分析し、『10代で出産』『シングルマザー』『別のパートナーがいる』『乳幼児健診の未受診』などの要件にあてはまる数が多いほど虐待による死亡のリスクが高まるとされていて、今回逮捕された母親は典型的なケースとして警戒が必要だった」と指摘しています。
今回の事件では、近くの住民から「子どもが泣き続けている」といった通報を受けて、警察官が過去に2回自宅を訪れていましたが、虐待を疑わせる形跡はないと判断し、県の児童相談所に知らせていませんでした。
また、乳幼児健診を受けていなかった羽月ちゃんの様子を確認するため、市の保健師が自宅を訪問していましたが、「問題はない」と判断し、児童相談所などと情報を共有していませんでした。
こうした対応について、西澤教授は「警察が刑事事件として扱うかどうかではなくて、この家庭に支援が必要かどうかの判断をしなくてはいけない。警察は専門性がないのであれば、市の保健センターや県の児童相談所につなぐ必要があった。また、市はこれだけハイリスクの要因がそろっていたのだから県などに通告し、関係機関が集まって対策を考えるべきだった」と指摘し、それぞれの機関の対応を強く批判しています。

関連ニュース

k10010370071000.html

関連ニュース[自動検索]

このページの先頭へ