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人生で初めてのアニメ作品!! 「友達いないアキツ君」 トモダチィートモダチィー!!
厳密には初めてアニメを作る、というわけではないんだが、一つのまとまった「アニメ作品」を作ったのはこれが初めての経験だという意味で、「初めて」
「コンテ→作画→彩色→撮影→編集」と、一般的な「アニメ制作」といった感じの流れで進行出来て、「え、ちょっと私プロっぽいことしてね? ちょっとプロっぽくね?」と自己満足的には嬉しかった。
まあ、作ってみて色々分かったことが結構あったので、ここで、自分の整理も兼ねて、アニメ制作についてまとめてみようと思う。
ついでにこれからアニメを作りたい人のためにわかりやすく説明してみよう、という試み。これが誰かの参考になったらいいな。
でもまあ、私がいくら「こういう所注意したほうがいいよ」みたいなこと言ったとしても、自分で実際にやってみて感覚としてつかむのに勝るものはないと思うけど。そして一番注意しなきゃいけないのは、私も初心者みたいなもんだということだ!!
私は専門学校とかで習ったわけじゃないので、用語はプロの使ってる正しい使い方ではないかもしれないけど、そこはご愛嬌ということで。それでは、アニメの制作順序順にざっくり分け、工程別にまとめてみようと思う。
企画 絵コンテ 作画 彩色 撮影 編集の全六工程。
私の作成スケジュールを振り返ると、企画とコンテは既に出来ているスタートで、作画に二週間、清書に二日、彩色に三日、撮影に一日、編集一日といった感じで完成したと思う。分かる人は分かると思うけど、作画に時間かけ過ぎてしまったなぁ。途中、トーキョーグール見てたりとか、パスカルのリマソンにハァハァしてたとか、そういうのは内緒だ。あ、基本的に、私が訳の分からないことを言って飛んでたらスルーして欲しい。そういう人なんだ。
企画
作りたいアニメのアイディアを固める。楽しい妄想フェイズ。これを潜在的にやっているアニメ好きは多いと思われる。
考えるのはタダだからと言って、無駄にスケールを広げまくり、コンテに起こすのも一苦労で、結局実現しないアニメばかり妄想してしまうのは皆もそうだろう。しかし、「これくらいなら作れるんじゃね? たった一分のアニメだし。」と思ったアニメでも、二週間はかかるということが今回わかった。
頭の中では二週間前に高クオリティ(のつもり)で完成していたものを、二週間かけてやっと完成させたと思ったら、思ったいたものはクオリティが残念という事実に気づいてしまった時の精神的ダメージは大きい。今回のアニメ制作をざっくりまとめると、まさにそういうことだった。でもたぶんこれを乗り越えて成長していくんだ…!! 絶対そうだ…!!
おそらく、「モノ」としてアニメが完成していく過程で、自分でも客観的に「それが良く出来ているか、出来ていないか」というのが分かっていく…というより、否応なく分からされていくということなんだろう。やはり思っているだけではだめで、やらないと分からないのだ。
思うに、アニメを最後まで作りぬくために必要なものは、根気なんじゃなかろうか。根気というと根性論っぽすぎるなら、「長期的に考えて行動できるかどうかの能力」と言い換えてもいい。ようするにパッと思いついてパッと作れるようなもんじゃないってことだ。わりとじれったくて、なんかもどかしさである意味気持ちいいくらいだった(何。
あ、だから、アニメを作ることによって我慢強さみたいなのは培われるかもしれない。
絵コンテ
企画段階のネタをもうちょっと具体的に、アニメの形式で考えていく工程。
一カット一カットの動きを決める。というか、頭の中の映像を実際の絵として出す作業って感じなのかな。プロのコンテをみていると、カメラワークとか演出の効果とかいろいろ書き込まれていて怖気づいてしまうが、しょせんプロだ。気にしなくても、おいおい覚えていくだろうから、最初は四コマ漫画みたいなのに説明文をつける、くらいの俺様クオリティでいっていいと思う。やらないとわからないしね。
アニメーターには気軽になれないけど、ソフトさえ揃えたら今の時代、アニメなんて気軽に作れるものだから、もうどんどん作ってしまった方が上達も早いって! さあ臆するな! 今から始めるんだ!!
作画
要するに、アニメを「描く」作業。アニメ制作で一番イメージされるのがここかと思われ。
コンテである程度動きが決まっていても、どんな速度でやるのか、タイミングはどんなもんか、いちいち決めないといけないことが多すぎておごごォォ。
が、やはりなんだかんだ言って楽しい作業。気がつくと日が暮れているとか、気がつくと朝になっているというメルヘンがしばしば起る。よってだいたい生活リズムは乱れる。独り暮らしの人はスーパーに行けないという辛さを味わうだろう…。そしてこれが、アニメを描いていると痩せると言われる由縁である(嘘。
会社で作るようなアニメは、原画・動画で分かれて仕事をするけれども、個人レベルでの制作は基本一人でやることになるので全部ひっくるめて私は「作画」と呼んでいる。キーフレーム描くのも、中割り描くのも同時にやっちゃうからね。
ちなみに、作画に入る前に背景含め、コンテのより詳しい版の「レイアウト」というのを作る作業もあるらしいけど、私はやらなかった。ってか、やはり一人で作る分にはあまり必要ないんじゃないかと。それに今回は、最初から背景を作るということを失念していたし。
流れとしては、ラフな線で動きを完成させて(実際にぱらぱらさせて動きを見る。私はAzDrawing2でやった)全てのカットをまず描く。下書きが全部出来てから、まとめて線の清書に移る。
一カット一カット清書していってもいいと思うけど、私の場合そうすると絵柄がぶれそうだったのでそうした。
ちなみに、今回の一分のアニメで私は大体200枚くらい描いたわけなんですが、絵が上手くなりたいとかそこらへんで言ってるあなた!! とりあえずアニメ作ったら上手くなるんじゃない? どんなイラストの教本にも、「量描けば上手くなるよ」って書いてあるし 10分のアニメを作ったら大体1000枚は作画することになるので、画力向上にはピッタリじゃないだろうか!!
デッサンが分からないとかほざいている人も!! オリキャラを3Dモデルばりにぬるぬると回転させて作画してみたらイヤでも身につく気がしないか!! パース付けて右斜め上とかからの嫌なアングルで走らせたりとか。多分今の画力を司っている脳細胞が過負荷で焼き切れて、より強い画力を生み出せるニューロンがオォーオォー!!(アンチビストロン)
彩色
色塗りのこと。「仕上げ」とか言うらしい。作画と同じ理由で、同じ色はまとめて塗ると効率が上がる気がする。
ちなみに、プロは影付けは作画段階でやるらしい。私は彩色しながら影付けてた。あずどろで作画したファイルを、あずぺに移してきて彩色。色を塗るのも、一枚絵をじっくり仕上げる時みたいに色別でレイヤ分けたりしないで、線画と同じレイヤにどんどん塗っていく。万が一のために、線画ファイルは別にコピーしてバックアップをとる、という方法をとった。
ぶっちゃけ、初めての作画→彩色の流れだったので、「このアニメが色がついたらどうなるんだろう…」とか、ぜんぜんイメージできずにふわふわ作ってしまった。「背景を考えてない→光源とか適当」なためにそうなったとも言える。色で光や影を出して、それによって演出をする、というのがいかにレベルの高い次元の話なのかがよくわかった。くそ、これだからプロは…
アニメの色つけは、キャラクター別にカラーチャートを作っておいて、Aというキャラの髪の毛はこの色だから、全カットそれで塗る。…みたいな感じの制作なのかと思っていたけど、それは古いアニメの作り方らしく、少し調べると、最近のアニメだと、光の当たり具合とか、時間帯(朝? 昼?)、演出によってそのカットそのカットで全部色を作るみたい(「色変え」というそうな。キチガイみたいな労力ですな!! これだからプロは!!)
ちなみにプロの現場だと、色彩指定っていう、色を決めてくれるプロの人がいて、大変羨ましい。私にはどうも色のセンスが(ゲフンゲフン
彩色作業自体は、そんなに苦しいものではなく。むしろ無心にルーチンワークをこなしている感覚に近い。ジャガイモの皮むきしたり、豆のスジを取ったりする作業に近いかも。アニメ制作で唯一、音楽聴きながらゆったりやれる。(まあ、スケジュール的におしてたから、きつかったと言えばきつかったけど)線画をちゃんとアンチエイリアスをかけないで描いてあったら、ぽちぽちスポイトとバケツツールで色を置いていくだけなので、楽といえば楽かと。その点、作画は頭を使う作業だと思う。
撮影
アニメに興味のない人に説明するのが一番難しい工程。要するに、一枚一枚のセル(フレーム)を連続させて動画形式にするってこと。おそらく、セルアニメの時は本当に「撮影」してたからこういう名前なんだろうなーとか、初めて描いたアニメが既にデジタルな私は想いを馳せるわけですが。
アニメは、見てるだけだとひとつながりに見えるが、複数のカットの連続で成り立っている。そのカットづつ、まず作っていって、そして編集作業で最終的に完成させる流れとなる。
プロとかは色々(アバウトだな)するんだろうけど、私はあずどろでpsdファイルにしたものを、フリーアニメスタジオで組んでaviファイルに出力するだけの簡単なお仕事。
フリーアニメスタジオだと透過ファイルが作れなくて、うんざりしたのは内緒だ。AviUtlで撮影せよということなのかな…。
完成間近で製作者も気が立っていたのか、なぜかこの作業は結構きつかった。誰かやっといてくれよーちくしょー。みたいな。
俗に美術と呼ばれる、背景を描く過程を全くしていなかったので、今回は撮影の途中で背景をあずぺさんで一瞬で作りました。見ればわかると思うけど、すごくざっくりしてるのはこのせい。
編集
言わずとも知れた編集。私はなぜか、今回、編集を舐めきっていて、コンテの通りにつなげていけばいいんだから、一時間で終わるだろブハハ~と、謎の楽観視をしていたのだが、結局一日以上かけてしまった恐怖の罠の工程。ちょっとした悪夢だった。
やってもやっても終わらない編集…どんどん下がるモチベーション…クリスマスまでには帰れるって聞いてたのに…頭の中で描いていたように見えないプレビュー画面…背骨痛てえ…気づかされるBGMとSEの不在…そう、私はチャージマン研を笑えなかったのだった…
皆さん…コンテなんてあてにしちゃいけません…特に素人が描いたコンテなんて、「ないよりはマシだけど、まったく信用できない」という、…高校生時代の私の遅刻反省文並に信用してはいけないものだったのですああああああああ!!!
あ、使用編集ソフトはAviUtl。解説してくれてる人が多くて、入口としてはかなり安心できる動画編集ソフトじゃないかと思う。まったく動画編集したことない人なら、さつきさんを頼れば一日でなんとかしてくれる(多分
個人的反省点 ~音楽と背景は大事 ゼッタイ~
やはり企画・アイディア段階で音楽面と背景のことを全く考えてなかったのは良くなかった。動画において音楽の力はむちゃくちゃ侮れないものがあって、音楽スキルのないキタガワがこれからこの問題をどう乗り越えていくのかというのはかなり大きな課題になるだろうな。ちくしょう…なんで平沢進にできて私にできないんだッ…平沢にできて…なんで私(略
たとえばもう完成している音楽にアニメをつけるとか、そういうのばっかりだったらいいんだけど、私はこれからもオリジナルでアニメを作っていきたいと思っている身なので、やはり…アキツ君のテーマとか、OP曲とかも作らないといけないんだろう。ハッ…そうか…OP曲ではそれに加えて、歌わないといけないのか…なんだと…。
あと背景も同じ理由で大切。背景、シチュエーションを含めての物語作りというのを考えられるようにならないとなぁ。
今まで、キャラクタだけはたくさん描いてたけど、風景画みたいなのは全然手をつけてなかったから、これも同じく大きな課題だけど、音楽と違ってちょっとは齧ってるから、まだ何とかなりそう。これからは風景・情景も描けるキタガワに!!
それから、完成品を見るとどうも、キチガイ度が足りない気がする。これがもうちょっとキチガイだったらおそらく、今頃一万再生は行っているはずだ。くそ…私もまだまだだなぁ…もうちょっとこう、人間離れしないといけないってことだろうな、精進しよう。
あ、そうだ。描くの忘れてた。「キャラクター設定表」!! これは個人での制作でも作っておいたほうがいいと思う。
キャラクタ設定表っていうのはアレ。基本の立ちポーズみたいなのを、正面、横、後ろとかで描いてあるカラーの設定画のことです。これが何で大事かっていうと、「キャラの服がカットで違う」などというバカみたいなミスを(多分)防げるからです。
というのも実は、今回それをやってしまいまして。
青い髪の毛のキャラが前半と後半で来ている下の服が違っているというね… これ彩色してるときに気づいて、「あ…」ってなりましたよ。しばらく一人で爆笑でしたよもう!!
おまけ
おまけとして、キタガワがリアルの知り合い・友人にこのアニメを(無理やり)見せた際にもらったコメントをここに書いておきます。ほとんどの人は引きながらも若干鼻で笑ってました。やはりキチガイ成分が足りないか…。
やはりものを作っている身ですから、何かしらリアクションが欲しいですからね! 一部の友人からは大変有意義な意見も出、恥を忍んで見せた甲斐があったというものです。
あと、結構みんなからぬるぬる動いてるって言われたんだけど、自分としてはぜんぜん描いてないのがわかっているのでそれを言われるとなんか辛い…某手描きMADの人レベルじゃないとぬるぬるとはいえないんじゃないかな…ううっ…
鹿児島のOさん「「いでよ! ふれんど!」のとこがなんか好きだわ。あと全体的に狂気じみてていいね。声はキミの声?なのか?」
友人Kさん(日本酒の人)「このうねうねするところがいいなぁ。」「なんかすごい…」「怖い…w」
友人T(大学生)「キタガワの絵だwww おお、動いてるw ハハッ キメェwwww」
友人S(就職したやつ)「wwwwwwwwww ってか、絵上手くなったね」
K(TRPG友達)「ぶっちゃけ、君の最新作動画もなかなかSAN値に響くような気もするが…知り合いの声がPCから聞こえてくるって新鮮!」
元担任M「上達しましたねぇ~。 音も頑張ってください」←PC教室のスピーカーで再生すると、私の声が立体的に聞こえてなんかすごい空間になっていた。うわぁ~いいなぁアレ!! フレンッド!!「で、今何してるんですか?」←動画制作だよ!! いらんこと聞かなくていいですから!!
後輩×3「(引きながら微妙な笑い)おかしい。これはおかしい」
友人S(TRPG友達)「アキツ君見てきたわw ものすごい狂気のオーラを感じたよwww 怖い、でも何か再生しちゃう…! なんとなく見ててギャグ漫画日和思い出したわー 動きかな?」
顧問M「(またなにかバカなことをして…という目)キタガワ、今お前何してんねん」←だから動画制作だって! そこ気にしなくていいですから!!
友人H(芸大生)「緩急をもうちょっと付けたほうがいい。似たようなスピードで進んでいくから、リズムがない。あと、場面の切り替えが今のままだと、未来のアキツ君のビデオ画面と、現在のアキツ君たちの差がわかりにくい。…これは絶対おかしい。ちょっと…自分の友達が作ったっていうのが、ちょっと信じられない。発想自体は美大にいるやつなら考えることやけど、これは…おかしい」←終始「おかしい」を連呼していた。それはどういう意味なのか…? しかし具体的な意見ありがとう。今後の参考にするよ!!
最後に
制作に使用した物
ソフト AzDrawing2 AzPainter2 IllusuStudioMINI SoundEngine FreeAnimeStudio2007 UTAU AviUtl ニコエンコ。
その他 言わずもがなノーパソ。winXPだぞコラ!! ペンタブ。ICレコーダーとマイク これだけでできます。大体フリー。フォトショ? AE? 知らんな。パソコンさえあったらできますよ。ペンタブはいるかもしれないけど。
これからアニメを作るなら、以下のリンクはおすすめです。私もとても参考にさせてもらいました。
フリーソフトで本格アニメを作る。~動画編~
あと、CGWORLDという雑誌にはアニメのことも載ってて、大変幸福です。アニメをやりたい市民はブックオフで探せば幸福になれると思います。あー、PARANOIAのアニメとか超やりたいなぁ…UV様が市民を次々に蒸発させていくアニメ…あーもう、平沢のアニメも作りたいというのに…あーあーでおーおー。
長い文章お疲れ様でした。素晴らしいアニメライフをー。
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