STORY

ストーリー

#02 「クロスキューブ」

クロスキューブ

あまりに少人数なため、コンクールへの出場すら危ういチカたちの吹奏楽部。部員を確保しようと、チカは勧誘活動に余念がない。中でも、全国大会に出場経験のあるオーボエ奏者・成島美代子は、普門館を目指すチカやハルタたちにとって、どうしても欲しい人材だった。ハルタと共に、成島の元へと向かったチカだったが、当の本人は「もう吹奏楽をやるつもりはない」とそっけない態度。困ったチカに、ハルタはある策を提案する。

#01 「メロディアスな暗号」

メロディアスな暗号

高校入学を機に、バレーボール部漬けだった生活から一転、フルートが似合うようなキュートガールを目指すチカ。音楽講師である草壁先生に心をときめかせつつ、幼なじみのハルタとの再会も果たす。
既に吹奏楽部に入学していたハルタと共に、音楽室へ向かったチカだったが、そこに待っていたのは、草壁先生に宛てられた謎の手紙と、血のように赤い絵の具で黒板に書かれた音符という、不気味な謎だった。

ハルチカトーク#01 ♪ネタバレを含むため、視聴後にご覧下さい

チカ

えーっと…ドの2でAだから「あ」でしょ? ラ#の3だと…Nになって、もう一つはまたドの2だからAで「な」……

ハルタ

どうしたの、チカちゃん? 譜面とキーボードとにらめっこして。

チカ

あ、ハルタ。もう一回自分でも、あの楽譜の暗号を解いてみようと思って。

ハルタ

復習だなんて、チカちゃんにしては珍しい。どっちかっていうとリベンジの復讐って言葉の方が似合うはずなのに……。

チカ

あんたねぇ……その可愛い顔を、ハチと蚊とアブに襲撃されたような顔にしてあげてもいいのよ?

ハルタ

ま、まぁ、落ち着いてよ、チカちゃん。せっかく振り返ってるんなら、僕も手伝うからさ。

チカ

あら、そう? 最初からそういう姿勢でいればいいのよ。

チカ

それにしてもどうして、わざわざあんなに回りくどい暗号なんかでメッセージを作ったのかな。

ハルタ

文字だったとしても、直接自分の気持ちを伝えるのには勇気が要ったんじゃないかな。音楽室に暗号を残せば先生の目にも止まる。そしてきっと、草壁先生なら、それに向き合って、隠された気持ちまで汲み取ってくれるって思ったんだよ、きっと。

チカ

ふ、ふ~ん、ずいぶん乙女チックな思考をするのね、ハルタ。

ハルタ

そう…だね。多分僕も、恋をしてるから、かな。……負けないからね、チカちゃん。

チカ

やだ! こんな不毛な恋のライバルなんて、いらない!