【巨人】原前監督が坂本、長野、岡本に猛ゲキ「日本球界を背負う気持ちで」
巨人前監督の原辰徳氏(57)=巨人特別顧問=が12日、客員教授を務める千葉・勝浦市の国際武道大で講義を行った。昨年10月に監督を勇退し、チームからは一歩引いた立場となったが、新生・由伸巨人の主力になる坂本、長野、岡本にゲキ。「巨人を、日本球界を背負う気持ちでやっているかい?」と、常勝軍団の中心選手として自覚を持つようメッセージを送った。
選手、監督・コーチとして通算30年間も巨人のユニホームに袖を通していたOBとして、思わず言葉があふれ出た。講義終盤の質疑応答。原さんは、学生から今年の巨人について問われると、いつものように目を見開いた。
「坂本、長野。あのへんは、もう1ランク上がっていかなきゃいけない。2016年のブレイクの予感ということにおいては、岡本という選手がいる。『1軍に上がろう』とか、『レギュラーになりたいな』ぐらいの気持ちや目標では、この世界で上がることはできないと思います」
サカチョーコンビ、そして若き大砲・岡本。由伸巨人の中心戦力になるであろう3人だ。巨人の新時代には、やはり新しい大黒柱が必要。由伸監督は「慎之助がずっとやってきたことを、長野や坂本が、そういう存在に早くならないといけない」と話してきた。原さんも昨年、坂本と長野が不振と見るや「足踏みしている。それが俺は歯がゆい」と、期待しているからこそのゲキを飛ばしてきた。
「巨人を、あるいは日本球界を背負って立つ、という気持ちで(プロに)入ってきているかい? そういう気持ちで野球をやっているかい? と問いたい。選手には、そう言いたい」
原さんも歴代の主力選手たちも、日本野球という巨大な看板を背負ってプレーしてきた。坂本も長野も岡本も、技術や能力は申し分ないが、気構えや覚悟には、やや物足りなさを感じている。勇退して巨人の特別顧問となり、一歩引いた立場からチームを見守っているが、まな弟子たちへの熱い思いは変わらなかった。
約300人の前で1時間におよんだ講義は、これで12年連続12度目。冒頭では、これまでの多忙な日々から一転、悠々自適の生活を送っていることを明かした。昨年10月の勇退会見から数日後には、英国でのラグビーW杯決勝戦を生観戦し、最近では歌舞伎座にも足を運んでいる。「今のところ、心地良い風しか吹いていない」と原さん。現時点では2月のキャンプを訪問する予定はないというが、新世代の台頭と奮起を促す新指揮官にとって、援護射撃になったことは間違いない。(尾形 圭亮)