仕事をしながら幼い子どもを育てているワーキングマザーにとって、大きなストレスの原因の1つとなるのが「夫の言動」。妻が夫にイラッとするシチュエーションとして、「子どもが泣いていてもほったらかし」「子どもがグズると不機嫌になる」「妻が忙しく家事をしている間、ゲームで遊んでいる」といったことがよく挙げられます。
「そりゃ、そんな夫はダメだ。その点、ぼくはいいパパだなぁ」と思っているあなた。
自分では何の悪気もない場面で、それどころかむしろ気を遣っているつもりの場面で、妻をイラッとさせているかもしれません。
そこで、夫の目線で日常にありがちなシーンを再現。どんな言動が妻をイラッとさせてしまうのか、考えてみましょう。
これからパパ・ママになる皆さんも、お互いの感覚のズレをぜひ知っておいてください。
シーン1:帰宅すると妻が食事の支度中…
帰宅すると、先に仕事から帰った妻が食事の支度中。まだ時間がかかりそうだ。冷蔵庫からビールを取って、ソファに腰かけた。ふと床を見ると、白っぽくなって綿ボコリが落ちている。子どもがここでハイハイすると、服を汚してしまうな。妻は気づいていないようだから、言っておいたほうがよさそうだ。
「ねぇ、ここんところ、ホコリがたまってるよ」
<妻はここに「イラッ」>
妻だって、部屋が汚れていることはわかっています。気になっています。でも、他に優先すべき家事があり手がまわっていないのです。そこへ夫から指摘を受けると、家事が十分でないことを「責められている」ような気分に。ましてや、座ってビールを飲んでいる夫に言われた日にはイライラが倍増!
<この対応ならOK!>
ビールのフタを開ける前に、自分で掃除機をかけましょう。ただし、無言のまま荒っぽくかけたのでは、それはそれで妻は「嫌み?」と感じるかもしれません。「食事作ってくれている間に掃除しておくね」など一言声をかけるといいでしょう。
シーン2:妻の仕事が長引いたときに…
仕事が早く片付き、いつもより早い時間に帰宅。妻は仕事が長引いたようで、今、帰ってきたばかりのようだ。夕飯の材料が入った買い物袋をキッチンに置いたまま、子どもの服を着替えさせている。いつもきちんと手料理を作る妻だが、今日はなんだかバタバタしているようだ。負担を軽くしてあげようと思い、声をかけた。
「夕飯、簡単なものでいいから」
<妻はここに「イラッ」>
気遣いの言葉に見えますが、「妻がやって当たり前」という意識が見え隠れしていますね。簡単なものであっても食事の支度は面倒。料理好きな妻でも、疲れているときはやりたくないのです。
<この対応ならOK!>
「簡単なものでよければ、ぼくが作ろうか」。料理ができなくても「野菜切っておこうか」くらいの声はかけてみましょう。実際には「私が作るからいい」となったとしても、気持ちはありがたく受け取ってもらえるのでは。
シーン3:離乳食に切り替えたばかりのときに…
最近、離乳食に切り替えた。共働きで忙しいので市販品を使っているが、職場のパートのおばさまがたが「母親の味を覚えさせたほうがいいわよ」と言う。自分でもネットで調べたところ、確かに手作りはメリットが多い。さっそく妻に話してみた。
「離乳食は手作りがいいらしいよ。こんなレシピサイトがあるから、作ってみたら」
<妻はここに「イラッ」>
子どものことを考えて、育児にかかわろうとする姿勢はいいのですが……。離乳食の問題だけでなく「夫は口を出すだけで、実際にやるのはすべて妻」という状態になりがち。妻は「自分でやりもしないくせに」とイラ立っている可能性あり。
<この対応ならOK!>
「子どもにこうしてあげたい」と考えたら、「自分がそれを担当する」ことを前提に提案しましょう。
シーン4:夜泣きが大変なときに…
子どもが生まれて8ヵ月。同僚と子どもの話をするとき、「夜泣きで大変な時期じゃない?」と言われる。そうか、皆は大変なのか。うちの子も夜泣きするが、ぼくは不思議と目が覚めない。泣き声に気づくこともあるが、そのまままた眠りにつける。
「ぼくは平気なんですよ。育児ストレスとは無縁ですね!(笑)」
<妻はここに「イラッ」>
妻は平気じゃありません。育児中の妻にアンケートを取ると「夜泣きする子をあやしているときや夜中に授乳しているとき、夫が横でスヤスヤ寝ているとイラッとする」という回答が寄せられることが多数。
妻のほうはじわじわとストレスを募らせているのです。
<この対応ならOK!>
気づいたら一緒に起きて、妻がミルクを作っている間にあやすなど、協力して世話をしましょう。とはいえ、目が覚めないのは仕方がないことですし、「夫は休ませておいてあげたい」と素直に思ってくれる妻もいます。そんな場合は日中に言葉でフォローを。例えば、「夜泣きして大変なんだよね。起きられなくてごめん」。休日に「夜、よく眠れていないよね。子どもを見ておくから少し休んだら」など。
シーン5:取引先に飲み会に誘われて…
取引先の飲み会に誘われた。早く帰って子どもと遊びたいが、これも付き合いだ。盛り上がって2次会まで参加し、すっかり酔って帰宅。子どもはすでに眠っていた。寝顔を見ていると愛おしくてたまらなくなり、ぷっくりとした頬に思わずスリスリしながら叫ぶ。「お前のために、パパがんばるぞー!」
気づくと妻が立っている。そういえば今日一緒に飲んだ**さんは、妻とも知り合いだ。おもしろい話を聞いたのを思い出した。
「今日、**さんと飲んでさぁ!すげー笑える話聞いたんだけど!」
<妻はここに「イラッ」>
「苦労してやっと寝かしつけたのに起こすんじゃない!」と妻は怒り心頭。起きた子を再度寝かしつけるのは大変なのです。飲み会のハイテンションのまま子どもと妻を巻き込むのはやめましょう。
さらに妻には「私だってたまには飲みに行きたい。自分ばっかり楽しんで!」というイライラもわき上がっています。
<この対応ならOK!>
寝た子は起こさない。子どもの寝かしつけに協力する。これだけでも妻のストレスを軽減できます。
「たまには友達と飲みに行って発散してきたら。この日だったら、ぼくが早く帰って子どもをみられるよ」と声をかけてあげるのも○。
――これらはほんの一例。まだまだ自分が気づかないところで、妻をイライラさせてしまっているかもしれません。
けれど、フォローする方法はあります。それは、ちゃんと感謝の気持ちを持つこと。そして、それを言葉で表すこと。
心がこもった「ありがとう」の一言で、妻のイライラがすーっと消えていくこともあるのです。
参考:iction!プロジェクト リクルートワークス研究所『働くマザーのストレス調査報告書』
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EDIT&WRITING:青木典子