7年ぶり金星の安美錦、DAI語で「KY(金星やったね)」

2016年1月13日6時0分  スポーツ報知
  • 鶴竜を押し出しで破った安美錦(左)
  • 安美錦は笑顔でVサイン

 ◆大相撲初場所3日目 ○安美錦(押し出し)鶴竜●(12日・両国国技館)

 現役関取最年長の東前頭筆頭・安美錦が09年夏場所以来、7年ぶりの金星を挙げた。東横綱・鶴竜を押し出して完勝。37歳3か月での金星獲得は昭和以降で5番目の年長記録だ。残る2横綱の日馬富士と白鵬はともに白星を挙げ、大関陣では照ノ富士と豪栄道に土がついた。横綱、大関の上位陣で初日からの3連勝は白鵬と東大関・琴奨菊の2人だけとなった。

 業師・安美錦の本領発揮だ。1度目は呼吸が合わず、2度目の立ち合いは頭で当たった。次の瞬間、はたいて鶴竜の体勢を崩すと休まず攻めて押し出した。3秒4の圧勝劇に「止まったら勝てないと思った。なんとか決めるつもりだった」と満足げに振り返った。

 09年夏場所3日目の朝青龍戦以来、約7年ぶり8個目の金星獲得。「DAIGO風に言ったら“KY(金星やったね)”だね」。11日に女優の北川景子(29)と結婚した歌手のDAIGO(37)の専売特許である“DAI語”を駆使し、喜びを表現した。

 37歳3か月での金星は昭和以降5番目の年長記録。新入幕以来、93場所目での金星は元関脇・寺尾(現・錣山親方)の89場所を抜き昭和以降最長と記録ずくめになった。「今日が最後の結び(の一番)になるかもと思って取った」と、2日目に完敗した白鵬戦の悔しさをぶつけた。これで対戦した貴乃花、武蔵丸、朝青龍、白鵬、鶴竜の5横綱全員から金星。「もうやめてもいいかな」と冗談を飛ばした。

 関取最年長。何度も故障した両膝はボロボロだ。それでもベテランらしい読みと技で土俵を沸かせている。13年に結婚した絵莉夫人には「飯、送り迎え、気を使ってやってくれる」と感謝。2人の娘にも「勝ったら喜んでくれるし、負けても俺より落ち込むからね」と目尻を下げた。この日の懸賞金は27本で手取り81万円。「懸賞金で何か買って帰ろうかな」と優しいパパの顔になった。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は「一番年上でしょう? ご立派です」と賛辞を贈った。安美錦は新年の目標に「来年も関取で新年を迎えたい」と掲げている。その夢が余裕に思えるほど、37歳の相撲は力強く見えた。(秦 雄太郎)

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