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 日南弁で恋心を語る「方言女子」が登場する宮崎県日南市の広報動画が静かな人気だ。時代とともに地元でも語り手が減りつつある方言だが、「素朴で、癒やされる」と再生回数は順調に伸びている。市は「生の方言を聞くために日南へ来て」と観光客の増加に一役買うことも期待している。

 名所や文化を紹介する市職員手作りの広報動画「日南市役所好きぃ~部」で方言を紹介することを企画。方言女子が芸能人男性と語りあう民放番組が人気を博していることに着想を得て、日南弁で恋心を告白するストーリーを考えた。

 東日本大震災の被災者を元気づけようと始まった東北弁のラジオ体操、フランス語にも聞こえる西諸弁での小林市のPR動画が反響を呼んだことなどから「方言を見直す時代が来ている」との判断も働いた。

 発案者の一人で、主役を演じた市の臨時職員、竹平まりのさん(21)がネット上で「女性から言われたい理想のセリフ」を募集。約30人の意見をもとに、5本の動画を制作した。

 「女性が話すと素朴でかわいい」(市広報担当)という、語尾に「ちゃ」「ちょ」がつく言葉のほか、「どんげ(どのように)」「まこつ(本当に)」など、地元色豊かな方言をふんだんに取り入れた。