残したご飯は下げてもらった。相手の食事に手を付けるような間柄ではまだなく、残したご飯が目の前にあり続けてもどうしようもない。こちらの食べ終わりに併せて両方の食事を下げてもらう。

「もう心愛さんお腹いっぱいですよね。デザートはやめておきましょうか。」

「大丈夫です!デザートは別腹です(笑)」

いやいや、そこは自慢するところではない。まずはご飯を食べようよ。

「女性ってよくそう言いますよね(笑)」

「はい。」

心愛さんは屈託のない笑顔で返事をする。本当に別腹なるものがあるのだろう。

「僕アイスコーヒーにします。心愛さんはお好きなものを。」

「え。もりおさんは食べないんですか?」

「僕は別腹がないのでやめておきます。」

「男性は別腹がないんですね(笑)じゃあ私は遠慮なくいただきます。」

心愛さんはメニューを見て迷っている。こういうところを見ていると、女性だな。かわいいところがあるなと少し見とれてしまう。

「私これにします。」

オーダーをお願いし、デザート待ちとなる。少しこれまでのことを頭の中で整理しておこう。

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