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 クウェートからバーレーンに向けてペルシャ湾を航行していた米海軍の2隻の哨戒艇がイラン軍に拿捕(だほ)された、と米国防総省当局者が12日明らかにした。米メディアによると、乗組員は計10人。2隻はイランの領海に短時間侵入したという。

 米国防総省当局者によると、乗組員は全員無事で、近く釈放される見通しであることをイラン当局が米側に伝えてきたという。米メディアによると、2隻のうちの1隻がイランが領有する島の近くを航行中に故障し、イラン領海内に漂流したという。

 イラン軍は先月末、ペルシャ湾のホルムズ海峡を航行していた米海軍の原子力空母の近くで、ロケット弾の発射練習を実施。1発が空母から約1・4キロ離れた地点に着弾した。米軍が「挑発行為だ」と非難する事態になっていた。

 ただ、米欧など6カ国は昨年7月に結んだイランの核合意を受け、イランへの制裁の解除を進めている。ケリー米国務長官は今月7日の会見で、制裁解除について、早ければ数日のうちに解除されるとの見通しを示している。米・イランとも、今回の米海軍艇拿捕については、早期解決に向けて動くものとみられる。(ワシントン=峯村健司)