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2016年01月13日 09時15分 UPDATE

着ているだけで疲れがとれる「リカバリーウエア」が静かなブーム アスリートの口コミが追い風に (1/3)

着ているだけで疲れがとれる「リカバリー(疲労回復)ウエア」が静かなブームを呼んでいる。商品化までの道のりは平坦ではなかった。

[産経新聞]
産経新聞

 着ているだけで疲れがとれる「リカバリー(疲労回復)ウエア」が静かなブームを呼んでいる。伸縮性を利用して血行を改善する既存の機能性ウエアなどとは根本的に違う発想で生まれた“世界初のウエア”だが、商品化までの道のりは平坦ではなかった。

画像 製品を前に談笑する、左から商品部の金沢文彦さん、同部長の渡辺正宏さん、中村太一社長、役員補佐の乾美芳さん、マーケティング部の友部崇さん=東京・西新宿のベネクス新宿オフィス

 リカバリーウエアを開発したのは神奈川県厚木市のベンチャー企業「ベネクス」。10年前の設立当初は、老人ホーム運営企業勤務の経験を生かして中村太一社長が高齢者向け床ずれ防止マットの開発を目指した。血行改善効果がある遠赤外線を発する鉱物を繊維に織り込もうと考えたが、素材メーカーとの共同開発まで1年、繊維メーカーの協力を得られて新素材繊維が完成するまでさらに半年かかった。しかし、苦労して商品化したマットは原材料コストを積み上げると10万円と高価になったこともあり、「1枚も売れなかった」(中村社長)。

 期待した商品が売れずに落胆した中村社長が、余った生地で介護士の疲労回復を促すTシャツを作って展示会に出品したところ、介護や医療関係者でなく、大手スポーツジムのバイヤーの目に留まった。「アスリートは疲労がたまっている。ジムの売店で売りたい」との一言が、世界初のリカバリーウエア誕生のきっかけとなった。

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