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兵庫 1億1000万年前の地層から卵の化石 恐竜か鳥か?国内初
2016年01月12日 14時32分
兵庫県丹波市の約1億1000万年前の白亜紀前期の地層から、小型の肉食恐竜か鳥類とみられる卵の化石4個が密集した状態で発見された。完全に形をとどめた状態での化石は国内では例が無く、世界的にも珍しい発見という。
兵庫県立人と自然の博物館によると、卵の化石が発見されたのは、丹波市川南町の川の上流の泥岩層で、2006年にも国内最大級の恐竜「丹波竜」の化石が発掘されている。昨年10月、地元の地域おこし協力隊の協力を得て試掘調査したところ、卵の殻のかけら約100点とともに、大きさや形をとどめた状態の化石が4個見つかった。
卵は縦5センチ、横2センチで、重さは約12~15グラムと推定される。表面はなめらかで断面は三層構造をしており、とても小さいことから、鶏よりもやや小さい獣脚類のトロオドンの仲間か、進化した鳥類の可能性が高いという。
調査チームの池田忠広研究員は「同じ巣のものとみられる卵が密集した状態で見つかるのは国内では初めてで、今後の調査で世界的に類のない化石標本の発見につながる可能性が高い」と話している。
見つかった化石は、2月6日~28日までは兵庫県立人と自然の博物館、3月5日~31日は丹波市内の化石工房で公開される予定だ。