「日本の命運」を握る海外投資家
2016年は年明けから株安が続き、日経平均株価が戦後初めての６日連続安となった。2015年末の日経平均株価は1万9033円と、何とか1万9000円台に乗せて引けたが、年明けから売り先行となり、1月12日には1万7218円まで下げた。
中国・上海株の大幅な下げや中東での紛争激化、米国の利上げなど、地政学的リスクの増加によって、いわゆるリスク回避の動きが強まったことが、株価下落の大きな要因。
一方で、通貨はリスク回避によって円に資金が集まり、円高になっていることから、これも輸出銘柄などにはマイナスに働いている。海外の動揺は収まっておらず、なかなか日本株にも底入れ感が出て来ない。
今年１年の日本株の行方を占ううえで大きいのは、いつもの事ながら海外投資家の動向だ。東京市場では売買の６割以上を海外投資家が占めるようになっており、海外投資家が本格的に買い姿勢を強めないとなかなか株価は上昇しない。
2015年は海外投資家が７年ぶりに売り越した。東京証券取引所がまとめた投資部門別売買状況（東京・名古屋の一、二部合計）によると、売り越し額は2509億円。確かに数字上は売り越しには違いないが、金額はわずかで、正確には「売り買い拮抗」「様子見」だった。
安倍晋三内閣がアベノミクスを始めた2013年は、海外投資家は15兆1196億円を買い越した。日銀総裁が黒田東彦氏に交代、「異次元緩和」に踏み切るなど、政策転換が鮮明になった。アベノミクスで日本が変わるのではないか、という期待感が一気に強まったことで、海外投資家が日本株を一斉に買ったのだ。
関連記事
-
マクドナルド、シャープ、東芝に迫る「消滅のXデー」! ～何があってもおかしくないビッグスリー （2016.01.12）
-
「参院選は圧勝のハズでは…!?」自民党幹部を青ざめさせた二つの世論調査（2016.01.13）
-
経済記者60人がホンネで選ぶ 「すごい会社」と「ヤバい会社」（2015.12.16）
-
役所に申請すれば「もらえるおカネ」「戻ってくるおカネ」【2016年最新版】（2016.01.09）
-
金正恩の横暴に激怒！習近平が画策する「北朝鮮生け贄計画」 （2016.01.11）
- 日本株急落は、海外投資家がこの国を見捨てるサインか？ （2016.01.13）
- なんと総計1000万部減！新聞はやっぱり「消えるメディア」なのか？（2016.01.06）
- 東芝「負の遺産」、実は１兆円超え!? 発表された赤字額の他にもまだまだウミは残っている（2015.12.23）
- 2015年、政界の「トリプルスリー（三ツ星議員）」を発表！ところで与党議員が一人もいないのはナゼ？（2015.12.16）
- 不条理！「税制改革」の名の下に、国が地方のカネを大量に吸い上げようとしている（2015.12.09）
- 働く女性は損をする!? 頭の古い自民党と了見の狭い財務省〜これで「女性が活躍する社会を目指す」って…（2015.12.02）