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ALS原因分解タンパク質発見 京大

京都新聞 1月11日(月)22時30分配信

 運動神経が変性して全身が動かなくなる難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)で見られる凝集物の分解に関わるタンパク質を、京都大医学研究科の漆谷真准教授と元大学院生の内田司さんらのグループが見つけた。ALSの治療法の開発につながる成果で、英科学誌サイエンティフィック・リポーツで11日発表した。
 ALSでは、脳や脊髄にタンパク質「TDP43」の異常な構造体が凝集しており、運動神経の変性を招く原因と考えられている。本来、細胞には異常なタンパク質を処理する機構が備わっているが、TDP43については詳しい仕組みがよく分かっていなかった。
 グループは、タンパク質のCUL2とVHLが結合した分子が異常な構造のTDP43を認識し、別の酵素による分解につなげていることを突き止めた。ALSでは、この仕組みが破綻し、VHLが異常に多く作られるようになり、VHLとTDP43が結合した分子が凝集することが分かった。CUL2とVHLは、他のタンパク質の分解でも働いている。
 漆谷准教授は「VHLを阻害したり、CUL2を増やしたりする薬剤はALSの治療薬の候補となる可能性がある」と話している。

最終更新:1月11日(月)22時34分

京都新聞

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