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【政治】

政府「会計検査院に特定秘密の提供を」 憲法規定踏まえ通達

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 国民の知る権利を侵す恐れのある特定秘密保護法に関し、内閣官房が特定秘密の指定権限を持つ行政機関に対し、会計検査院から要請があった場合は、秘密指定を受けた書類を提供するよう求める通達を出していたことが明らかになった。憲法九〇条は、検査院が国の収入支出を全て検査するとしており、この規定を踏まえた。 

 通達は先月二十五日付。内閣情報調査室次長名で秘密指定権限を持つ防衛省など二十の行政機関の担当局長らに出した。

 通達は「各行政機関は会計検査院から検査上の必要があるとして提供を求められた際には、提供を行う取り扱いをしている」と説明。二〇一四年十二月の法施行に関して「この取り扱いに何らの変更を加えるものではない」と従来通りの対応を求めた。

 検査院は一三年九月、法律の政府原案について「秘密指定を受けた文書が各省庁から提示されなくなる恐れがある」と指摘。翌月の内閣官房との協議で、検査に必要があれば行政機関が提供するとの内容の通達を出すことで合意した。

 政府が会計検査院検査官の候補者として国会に提示した小林麻理(まり)・元早稲田大大学院教授は今月七日、国会で所信を述べた際、「特定秘密に係るとして情報が提供されないことがあってはならない」として、必要な情報提供を受けた上で、憲法の規定通りに検査に臨む考えを示した。通達が徹底されれば、税金の無駄遣いをチェックする検査員の業務に支障はない。(関口克己)

 

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