新任マネジャーが知っておくべき、
人の上に立つための6つの心得
優秀な個人プレーヤーがチームを管理する立場になった時、これまでの思考を変える必要に迫られる。すべての新任マネジャーに役立つ初歩の心得。
ソフトウェア会社のシニア開発者ジュリー・ロングは、上司から「できる人」だと認められている。ジュニア開発者3人で構成されるプロジェクトチームをまとめるように要請されたジュリーは、ついに訪れた管理職というチャンスに胸を躍らせた。
だが、その興奮はすぐに苛立ちに変わる。彼女にとってはシンプルで簡単な物事が、チームの手にかかるとタイミングよく運ばないのだ。新しい任務に就いてわずか数週間後、チームのメンバーたちが書いたコードを見直していた彼女は、部下たちの成果物を廃棄してすべて自身で書き直すことを真剣に考えていた。数時間残業すれば、彼ら3人分の仕事ができるはずだ――。
「エキスパート」から「マネジャー」へのステップアップを課された人にとって、これはありがちなシナリオだ。最近まで同僚だったメンバーによるチームを率いることになった場合は、特によく起こる。しかし現場に介入してみずからすべてを片付けようとするのは、たとえ当初はうまくいっても、持続可能なやり方ではない。結局のところマネジャーは、部下の能力開発と成長を助けるために、そしてチーム全体の能力を底上げするために、教師兼メンターとして成果を上げることに注力する必要があるのだ。
だが、そうするには思考を大きく変えることが求められる。そしてそれこそ、多くの新任マネジャーにとって極めて困難なプロセスとなる。なぜなら他者を指導してチームをまとめることは、個人プレーヤーだった頃の経験とはまったく異質であり、古い習慣は捨てがたいからだ。
新任マネジャーは最初に、直属の部下の成果・能力を自身のそれと比較するのではなく、彼らが現在の状態から向上していく様子を観察・記録することから始めよう。1人ひとりを個別に評価すれば、各自の能力が明らかになる。そして、部下の進歩が上司自身の成功の尺度になるはずだ。
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