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ヒトラー「わが闘争」の再出版巡り議論
1月9日 7時39分

ヒトラー「わが闘争」の再出版巡り議論
ナチス・ドイツの総統だったヒトラーの著書「わが闘争」の著作権が消滅したことに伴い、ドイツの現代史研究所が、戦後初めて、ドイツ国内で批判的な解説をつけた「わが闘争」の出版に踏み切りましたが、ユダヤ人団体が懸念を示すなど大きな議論となっています。
ヒトラーの著書「わが闘争」は、ドイツ民族の優越性や極端な反ユダヤ主義を主張してユダヤ人の大量虐殺の思想的な根拠となったことから、ヒトラーの死後、本の著作権を引き継いだ南部バイエルン州は、戦後一貫して国内での出版を禁止してきました。
しかし、ヒトラーの死から70年となった去年末で本の著作権が消滅し、地元の公立の現代史研究所は8日、批判的な解説をつけた「わが闘争」の出版に踏み切りました。出版された本は2巻からなり、ページ数で原版を上回る学術的な解説がつけられていて、現代史研究所はまず、およそ4000冊を出版するとしています。
研究所は記者会見で、「ナチズムや人種差別主義について批判的な解説をつけた本の出版は社会のために必要だ」と述べて、出版の意義を強調しました。
一方、去年100万人を超える難民や移民が到着したドイツでは難民の受け入れ施設が相次いで放火されるなど排他的な動きも活発化しています。ユダヤ人の団体は本の出版は排他主義をあおることになりかねないとして懸念を示すなど大きな議論となっています。

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