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「イラン大使館攻撃」サウジアラビアは全面否定
1月8日 5時11分

「イラン大使館攻撃」サウジアラビアは全面否定
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内戦状態にある中東イエメンのイラン大使館が、サウジアラビアの攻撃を受けたとイランが主張したことについて、サウジアラビア側は攻撃を全面的に否定し、両国の対立が深まっています。
イランの国営メディアは7日、内戦状態にあるイエメンの首都サヌアでサウジアラビアの軍用機がイラン大使館を攻撃したと伝え、外務省の報道官は、現地スタッフがけがをしたほか大使館の建物も被害を受けたとしてサウジアラビアを厳しく非難しました。
イエメンでは、隣国サウジアラビアを中心としたアラブ諸国の連合軍が去年3月からイランが支援しているとされるイスラム教シーア派の武装勢力に対し空爆を続けています。
イラン側の主張について、連合軍は7日、サウジアラビアの国営通信を通じて声明を発表し、「主張は誤りで、大使館の周辺では軍事作戦は行っていない。大使館は安全で、被害が無かったことを強調する」と全面的に否定しました。
イラン大使館の近くにある別の大使館のスタッフは、NHKの取材に対し「1キロ近く離れた広場が空爆され、砲弾の破片などがイラン大使館を含む広い範囲に飛んできたが、建物に大きな被害があるようには見えない」と話していました。
サウジアラビアはイランと外交関係を断絶し、緊張が高まっていますが、今回の事態を受けて非難の応酬による両国の対立が深まっています。

イラン サウジアラビア製品の輸入禁止

サウジアラビアがイランと外交関係を断絶し緊張が高まるなか、イラン政府は7日、サウジアラビア製品の輸入禁止を決めたことを明らかにしました。サウジアラビアは、イランとの貿易を止める方針をすでに示しており、外交関係の悪化が経済にも波及した形です。
また、イランでは、8日のイスラム教の金曜礼拝のあと、各地でサウジアラビアに対する抗議デモの呼びかけが行われています。イランは、内戦状態が続くイエメンの首都にあるイラン大使館がサウジアラビアの攻撃で被害を受けたと非難しており、抗議デモでは、サウジアラビアへの強い反発の声が上がるものと見られます。

米国務長官 イラン外相と電話会談

アメリカのケリー国務長官は7日、イランのザリーフ外相と電話会談を行ったということで、ケリー長官は、改めて緊張の緩和を促したものとみられます。
また、イランが、サウジアラビアからイエメンにある大使館への攻撃を受けたと主張しているのに対し、サウジアラビア側は攻撃を全面的に否定していますが、アメリカ国務省のカービー報道官は「空爆を受けたという話もあれば、大使館の建物に被害は見られないという話もある」と述べ、現時点では判断がつかないとし、アメリカ政府も情報収集を急いでいます。

ソマリアもイランと外交関係断絶

サウジアラビアがイランとの外交関係を断絶したことを受けて、東アフリカのソマリアは7日、イランとの外交関係を断絶したと発表しました。ソマリアはアラブ諸国で作るアラブ連盟の加盟国で、サウジアラビアと同じスンニ派のイスラム教徒が多数派を占めています。イランに対するアラブ諸国の対応としては、バーレーンとスーダン、それにジブチが外交関係を断絶したほか、UAE=アラブ首長国連邦、クウェート、それにカタールがイランに駐在する大使をそれぞれ召還しています。

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