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イラン IS意識しサウジアラビアには抑制的に対応
1月7日 9時12分

イラン IS意識しサウジアラビアには抑制的に対応
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サウジアラビアがイランと外交関係を断絶し緊張が高まるなか、イランとイラクの外相が会談し、過激派組織IS=イスラミックステート対策にはイスラム社会の団結が欠かせないという認識で一致し、イラン側はサウジアラビアに抑制的に対応していく姿勢を強調しました。
イスラム教スンニ派のサウジアラビアが、シーア派の大国イランと外交関係を断絶したことなどを受けて、宗派対立の激化やIS対策への悪影響が懸念されています。
こうしたなか、国内でISの掃討作戦を進めているイラクのジャファリ外相が6日、イランを訪問し、ザリーフ外相と会談しました。両外相は、イスラム社会はISという共通の脅威に対し、団結する必要があるという認識で一致し、ジャファリ外相は「イランとサウジアラビアの良好な関係は地域全体の利益だ」と述べ、緊張緩和に向けた仲介を担う意向を示しました。
これに対し、ザリーフ外相は、サウジアラビアはイランの核開発問題の解決に向けた交渉に反発するなど、地域の緊張緩和に逆らう動きを見せてきたとして、批判しました。
しかし、その一方で、「これからも我慢を続ける」と述べ、イラン政府としては、サウジアラビアに抑制的に対応していく姿勢を強調しました。イランには、中東の混乱に拍車をかけているのはサウジアラビア側だと国際社会に印象づけるねらいもあるとみられ、今月下旬に行われる予定のシリアの和平協議を巡っても、イランがどのような姿勢を示すのか注目されます。

ジブチもイランと断交

サウジアラビアがイランとの外交関係を断絶したことを受けて、バーレーンとスーダンに続いて東アフリカのジブチもイランとの外交関係を断絶しました。
ジブチは、アラブ諸国で作るアラブ連盟の加盟国で、サウジアラビアと同じイスラム教スンニ派が多数派を占めます。
イランに対するアラブ諸国の対応としては、このほか、UAE=アラブ首長国連邦やクウェートがイランに駐在する大使を召還するなど、地域の緊張が高まっています。

米国務長官 中東各国と相次ぎ電話会談

サウジアラビアがイランと外交関係を断絶し緊張が高まるなか、アメリカ国務省は6日、ケリー国務長官が、エジプトやヨルダン、そしてバーレーンやカタール、UAE=アラブ首長国連邦、そしてクウェートなどアラブ諸国の外相と相次いで電話で会談したと明らかにしました。
一連の電話会談でケリー長官は、中東地域の緊張を緩和し、対話による解決の必要性を促したということです。また、オバマ大統領もイラクのアバディ首相と電話で会談し、両国の緊張が高まるなか、中東地域でイスラム教のスンニ派とシーア派の宗派対立につながるような事態を避け、外交による解決が重要だということで一致しました。
一方、この問題がシリアの内戦の終結に向けた和平協議に与える影響について、アメリカ国務省のカービー報道官は、悪影響は見られないとして、スイスのジュネーブで今月下旬に予定されている和平協議を開き前進させる必要性を強調しました。

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