FSC(フィンガーショートカット)初級編


スピードキュービングの必須テクニックのひとつが、FSC=フィンガーショートカットです。


わかりやすく言うと、「複数の面を同時に回すテクニック」です。
例えばR面とU面が同時に回転することなどありえないように思えますが、
実はほぼ同時に回転させることが可能です。
FSCについてご存じない方は、↓のビデオをご覧ください。

FSCとはこんなものです

どこかで見たことあるような映像ですね^^;
FSCを初めて目の当たりにする方は「・・・え??」となるのではないでしょうか。
お願いします、なってください^^;

動画ではR' U R'の3手をほぼ同時に回し切っています。
実際、同時に回っている瞬間があります。
つまり、これがFSCです。


「FSCってなんか難しそう・・・」と思われてる方も多いはずです。
でも私は声を大にして言いたい。


FSCは全然簡単です!


もちろん難易度の高いFSCもありますし、
慣れないうちは思うように回せないのも確かだと思います。
でも、まったく初めての人でも、コツさえつかめば数分の練習で出来てしまったりします。
実はFSC自体は、その程度の難易度なのです。

とは言えすぐに安定して高速でFSC出来るようにはなりません。
それには「慣れ=練習」「回転が軽くて回しやすいキューブ」が必要です。
練習はともかく、回しやすいキューブというのが初心者の方にとってのネックになっているのかもしれません。、
パーツを削ったり回し込んだりすることによってキューブを回しやすく育てることが可能ですので、
ぜひトライしてみてほしいと思います。
なお、新品のキューブでも一応FSCは可能です。

FSCの利点として「通常よりも大幅に短い時間で回せる」というのはもちろんのこととして、
「手順が覚えやすくなる」というのも大きかったりします。
例えばPLL手順ひとつ覚えるにも「R・・・U・・・次がR'・・・」等と覚えてたら、なかなか覚え切れません。
この場合もし「R U R'」を一塊として捉えることが出来れば、圧倒的に楽に手順を覚えることが出来ます。


以下、LBL方式によるスピードキュービングで頻出するFSCとコンビネーションをいくつか紹介します。
様々な場面で目にする手順ばかりだと思います。
ビデオを見て雰囲気をつかんでもらえたら嬉しいです。



R' U R'
私にとっては一番回しやすいFSCで、FSCの代表格だと思っています。
PLLで使われることが多く、うちの手順ではn1、n4、n9、n14、n18、n20等で使われています。
手順開始前の右手の構え方、特に人差し指の位置がポイントです。
R'回転を始めたら、すぐに人差し指に力を入れ始める感じです。


R U' R
上のR' U R'の逆手順になっていますが、難易度は多少高いです。
うちの手順ではn2、n3、n5、n17、n19等で使われています。
親指でR面を押し上げて、その勢いでそのままU'を回してしまいます。
ラストのUは人差し指メインで回しきります。


R U R'
F2Lで使われるスロットイン手順ですが、それ以外にもありとあらゆるところに出てきます。
実際にFSCになっているのはU R'の部分ですが、
この3手のコンビネーションで見かけることが多いです。
R回転のあと右手人差し指をU面に引っ掛けてそのままR'すると、自然に出来ます。


R U' R'
上のR U R'の逆手順で、R U'の部分がFSCになっています。
親指でR面を押し上げてそのままU'を回し、最後のR'は人差し指ではじくようにして回しています。
このコンビネーションに関しては↓のR U' R' Uのような指使いで回す人も多いので、
自分で回しやすいように回してみてください。


R' U' R
F2Lで背面スロットにスロットインするときに使用する手順ですが、これまたあちこち出てきます。
U' Rの部分がFSCです
普通にキューブを構えた状態から、右手を構えなおすことなく回すことができます。
R'しながら早めに左人差し指に力を入れておくことで、ベストタイミングでU'を回すことができます。


R' U R
上のR' U' Rの逆手順で、同じく背面へのスロットインに使えます。
R' Uの部分がFSCで、そのあとにRを回すことになります。
手順開始時の右手の構え方と、人差し指の位置がポイントです。
ビデオの最後でははじくようにしてRを回していますが、あまり推奨はしません^^;


R U' R' U
R U'とR' Uの、ふたつのFSCのコンビネーションです。
左トリガーと右トリガー両方を使うので、手順開始時に両人差し指を所定の位置に準備してください。
この手順では、トリガーに合わせてキューブを右手前方向に傾けると回しやすくなります。
最初のRがR2になったパターンもありますが、この場合は右手開始位置を変えて対応します。


R' F R F'
F2LのスロットインやOLL手順を始め、ちょこちょこと見かけるコンビネーションです。
R' FとR F'のふたつのFSCの組み合わせになっています。
難易度は少し高めで、ふたつのFSCの繋ぎが難しいです。
R' Fのあとに、微妙にR'方向にオーバーさせてやるとうまくいきますが、焦らずにワンテンポおいたほうが無難です。


R U2' R'
FSCになっているのはRからU'に繋ぐ部分だけですが、よく見かけるコンビネーションなので紹介します。
R U'のFSCのあと、左トリガーでU'を引き継ぎ、タイミングよくR'して完成です。
U2をわざわざU'×2に分解しているので初心者の方にはとっつきにくいかもしれませんが、
ある程度のタイムを目標にする場合にはほぼ必須と言っていいテクニックです。




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