中国当局者の元安けん制発言相次ぐ-PIMCOは一段安を予想
2016/01/12 18:03 JST
(ブルームバーグ):中国当局者から人民元の先安観測をけん制する発言が相次いだ。一方、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は一段の元安進行を予想している。
中国共産党の韓俊・中央財経領導小組弁公室副主任は11日、人民元の空売りは失敗するだろうとし、大幅な下落を見込むのは「ばかげている」と発言。また、中国人民銀行(中央銀行)研究局のチーフエコノミスト、馬駿氏は人民元の対ドル中心レート引き下げについて投資家が意図を誤解したと指摘した。馬氏のコメントは人民銀のウェブサイトに11日掲載された。
PIMCOのポートフォリオマネジャー、ルーク・スパジック氏(シンガポール在勤)は12日のリポートで、人民元に対する「ドルの上昇トレンドは変わらず、中国の為替制度に加えられた変更によって今後6-12カ月に一段の人民元下落余地が生じた」と分析した。
先週は人民銀が元の中心レートを低めに設定したことで、当局が景気刺激のため元安誘導に動いたとの観測が浮上。株価急落を招いたほか、元は7日に対ドルで約5年ぶり安値を付けた。
人民銀は8日以降、中心レートをほぼ前日と同水準に設定している。11日以降はオフショア市場で元買いの介入を繰り返し、投機抑制を図っていると事情に詳しい関係者が述べている。
原題:Pimco Defies Bullish China Officials With Bet Yuan to Fall (2)(抜粋)
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更新日時: 2016/01/12 18:03 JST