海上自衛隊呉基地(広島県呉市)に停泊中の潜水艦内で2013年に起きた男性2尉の拳銃自殺未遂について、海自が上官の暴力などが原因との調査結果をまとめていたことが12日、防衛省関係者への取材で分かった。海自は上官らを停職などの懲戒処分にしながら公表していなかった。
防衛省・自衛隊は、職務に関する行為で懲戒処分した場合は原則公表する指針を定めている。海自ではいじめやパワーハラスメントが原因の自殺などが相次いでおり、海自内からも責任明確化や再発防止のためにも公表すべきだとの意見も多かった。
関係者によると、海自が設置した事故調査委員会は「暴力を伴う指導」や「上官による状況把握の不十分さ」を認定。そのために精神的に不安定となっていた2尉は、拳銃使用の可否についての判断力が低下していた可能性があると結論付けた。海自は昨年10月、関係した隊員を停職10日などの懲戒処分にした。
海自によると、13年9月2日午前5時45分ごろ、潜水艦「そうりゅう」の艦内で2尉(当時39)が血を流して倒れているのを、銃声のような音を聞いて駆け付けた別の隊員が発見。口から首にかけ銃弾が貫通したような痕があったが、一命は取り留めた。拳銃は潜水艦内の鍵の掛かった格納箱に収納しているが、2尉は当時、当直責任者で鍵を持っていたという。〔共同〕
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