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今日に至るまで、人類はめまぐるしい速度で巨大な建築物を建設し続けている。山を削り、川をせき止め、海を埋め立て、その勢いは留まるところを知らない。そしてそこに莫大な金額が費やされている。道路を伸ばし、コンクリートを注ぎ、ケーブルを接続し、労働者を動かすもの、それはお金である。
いったいそんな予算がどこから出ているのだろう?と疑問に思えるほどの莫大な資金が投入されている建造物もある。ここでは、人類が膨大な額を投じて完成させた建設プロジェクトを紹介しよう。なお、建設費はインフレを考慮して調整してあり、今作った場合の額で表示した。また1ドル/120円で計算した。
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10. 英仏海峡トンネル(2兆6,880億円)
イングランド南部とフランス北部の海岸を結ぶ海底トンネルで、チャネルトンネルやドーバー海峡トンネルとも呼ばれる。ユーロトンネルは運営する会社の名称である。安全対策や環境対策のために、当初の予定よりも80%もコストが増大した。
トンネルの掘削作業が着工されたのは1988年のことで、1994年に開通した。工事では10名が犠牲となっている。線路長は50.45kmで、2本の本トンネルと1本のサービストンネルで構成される。
開通後、幾度か火災が発生し、数ヶ月間運用が停止されていた時期もあったが、それによる犠牲者はいない。またイギリスへの不法入国に使用されることもあるという。国際鉄道ユーロスターが輸送する車に隠れるというのが、常套手段らしい。
9. ビッグ・ディグ(2兆7,720億円)
膨大なコスト増加により、納税者が払った建設費は2兆7,720億円と推定されている。このプロジェクトは、米マサチューセッツ州ボストンの幹線道路I-93の経路を変更し、街の中心部に通すものである。
州が480億円を負担することになった設計の欠陥や、調査を必要とした沈没船の発見など、数々の資金や運営上の問題に見舞われた。また工事中にコンクリート板が落下して、1名が命を落とした。工事は10年以上の遅れた末、2002年にようやく完成した。
8. 関西国際空港(3兆4,800億円)
大阪湾泉州沖5kmに作られた海上空港である。東京に遅れをとる大阪と神戸の経済発展のために、1960年代から計画されたもので、1994年に開港した。同地域を襲う地震や津波対策として、また騒音対策として建設地に海上が選ばれた。沈降防止のために金属製の柱を追加し続けなければならない。2012年に第二旅客ターミナルも開業している。
7. カリフォルニア高速鉄道(3兆9,600億円以上)
2015年に着工し、2029年に全線開通が見込まれるが、現時点において既に予算オーバーとなっている。アメリカの主要都市を高速鉄道でつなぐというオバマ大統領の誓約のうち、最初に実施されたプロジェクトである。
責任者のジェフ・モラレスによれば、当初の予算を超過しているが、新技術を採用することで、建設費は縮小するはずだという。最初はマーセドとベーカーズフィールドで開通し、ゆくゆくはサンフランシスコとロサンゼルスを2時間半で結ぶとされている。
6. 松島新都市(4兆8,000億円)
韓国仁川広域市延寿区に埋立地を造成する事業。Wi-Fiや自動リサイクル植物、さらにはウサギやシカがうろつくという他に例のない”スマートシティ”を目指す。セントラルパークなど、他の都市のランドマークをモデルとしたものの建設も予定する。仁川国際航空に近く、ビジネスマンや観光客の拠点として開発が進められている。
5. ドバイランド(9兆1,200億円以上)
ドバイの財政難で2008年に工事が中断されたのち、2013年に再開された。完成すれば、世界最大かつ最も建設費が高いテーマパークとなる。ディズニーのテーマパークやIMAXシアターなどの建設も予定されている。ドバイランドのデザインのモチーフは、千夜一夜物語に代表されるアラビアのおとぎ話である。同地域諸国との観光客誘致競争の最中にあるドバイが、ファミリー層の獲得を狙って打ち出したプロジェクトだ。
4. アブドラ王経済都市(10兆3,200億円)
メッカから1時間の場所にあり、完成すれば、サウジアラビアの新たなる観光名所となることは間違いない。高級ホテルや贅を尽くした邸宅、一流大学、巨大航空も設置される予定だ。プロジェクトを進めるのは、アラブ首長国連合の政府系不動産開発デベロッパー、エマール・プロパティーズである。世界一高いブルジュ・ハリファを建設したグループと言えば分かるだろうか。また通信インフラにはスウェーデンの通信機器メーカー、エリクソンが参画する。
3. カシャガン油田(13兆9,200億円)
カスピ海のカザフスタン領にあるカシャガン油田は、2000年に発見され、過去30年間に発見された油田では最大規模と言われているものだ。2017年からは、90,000バレル/日が産出されると試算されている。総埋蔵量は130億バレルだ。共同運営するのはエニ、カズムナイガス、ロイヤル・ダッチ・シェル、エクソンモービル、トタル、コノコフィリップス、INPEX。パイプ漏出などの問題により、建設は遅れている。また油田の圧力が高いことから、掘削によって事故が起きる恐れもある。
2. 国際宇宙ステーション(18兆円)
18兆円という莫大な金額が投じられているが、アメリカ、ロシア、カナダ、日本、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、スイスと、多くの国家が参加していることを忘れてはいけない。
建設にはロシアのロケットとNASAのスペースシャトルが主に使用されている。それぞれのモジュールは地上で建設され、宇宙に打ち上げられて組み立てられた。建設開始から2年後にロシア製の居住モジュール、”ズヴェズダ”が追加され、初めて人が居住するようになった。運用26年目にあたる2020年には、海洋に投棄されるという。
1. アメリカ州間高速道路網(55兆円)
2015年の時点で、納税者が負担した金額は55兆円に達している。正式名称はドワイト・デーヴィッド・アイゼンハワー全米州間国防高速道路網であり、その名の通り、アイゼンハワー大統領の肝いりで進められた。単なる輸送用途だけでなく、有事の際の地上部隊の移動も念頭に置かれている。
プロジェクトは1956年に着手され、最初に全路線が完成したのは1974年のネブラスカ州であった。最終的な完成は、コロラド州のI-70が開通した1992年である。当初の予定よりも予算がオーバーし、また完成も遅れたが、アメリカ経済にとっては大きな意味を持つ。輸送費は17%低減し、ハリケーン・カトリーナ来襲の際に市民の迅速な避難が可能だったのもこの道路のおかげだ。
via:The 10 Most Expensive Construction Projects Ever / translated hiroching
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コメント
1. 匿名処理班
まつしま新都市と読んでしまった。
2. 匿名処理班
6.松島なんてあるから、震災復興事業かと思っちゃったではないですか、やだもぉ♪
3. 匿名処理班
高速増殖炉もん...うっ頭が痛い...。
4. 匿名処理班
F-35なんて開発費1兆ドルと言われている
1ドル=120円なら120兆円だよ
5. 匿名処理班
>アメリカ高速
アメリカは無料、日本は無料どころか値上げ+永遠に有料。
6. 匿名処理班
リニア全体で9兆やろ
海外じゃまったく有名じゃないのか
7. 匿名処理班
関空って3兆円超えもするの?確か1兆円じゃなかったっけ?
あとこの画像関空?形が違うような?
8. 匿名処理班
英仏海峡トンネルには、日本製のシールドマシンが4機参加してるんだよね。日本の土木マシンが信頼されている証しだと思う。
9. 匿名処理班
まぁ、まだ未完成のやつは「計画倒れ」するやつもあるだろうな。
どことは言わないけど。
10. 匿名処理班
I-70が最後のアイゼンハワーの州間フリーウエイだったなのか・・・
気づかず何度か通過してたわ。
11. 匿名処理班
※7
ここから画像を引用したみたい
ttp://www.kansai-airport.or.jp/cargo/about/fedex/
12. 匿名処理班
国際宇宙ステーション2020年廃棄は
超反対!!せめて2030年まで使えないかな?
デブリ破損レベルは酷いんですかね?
13. 匿名処理班
軌道エレベーターが2兆で出来るって言うけど、この記事見ると、たった2兆って感じてしまう恐ろしさ
14. 匿名処理班
関空は場所がワルすぎる
15. 匿名処理班
「高速道路網」で一括りにしていいなら日本の高速道路も相当なもんだと思う
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